ロシアは、商品やサービスの支払いに仮想通貨とNFTの使用を禁止

プーチン大統領が仮想通貨禁止法案に署名

ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、仮想通貨やNFT(非代替性トークン)など、国内のデジタル資産を商品やサービスの支払いに使用することを禁止する法案に署名したことが明らかになった。

ロシアの立法支援システムのウェブサイトによると7月16日(土曜日)、プーチン大統領は、同国における支払方法としてデジタル金融資産の使用を直ちに禁止することを設定する法案を承認したとのこと。この法律は、ロシアの中央銀行が仮想通貨の使用とマイニングの禁止を呼びかけてから約7カ月後に成立したもので、仮想通貨とデジタル資産の保有を禁止するものではなく、むしろその使用方法を制限するものとのこと。同法では、次のように記されている。

連邦法で規定されている場合を除き、譲渡された商品、行われた仕事、提供されたサービスの対価としてデジタル金融資産を譲渡または受領すること、および商品(仕事、サービス)のデジタル金融資産による支払いを想定した別の方法は禁止されています。


新禁止令はマイニングコミュニティに影響なし

ロシアでどれだけの人がこの新しい禁止令の影響を受けるのかは不明であり、今回の制限は、仮想通貨のマイニングについては触れていないため、4月時点で世界第3位であるロシアのマイニングコミュニティには影響を与えないと予想されている。

同新禁止令には、仮想通貨の所持や直接取引も禁止されていないため、ロシア国内のほとんどの人にとって、ほとんど影響はないだろうとみられている。実際、ロシア当局者は過去に、UDR(Utilitarian Digital Rights=デジタル権利)がさまざまなデジタル資産に適用されるのに対し、DFA(Digital Financial Asset=デジタル金融資産)は仮想通貨を含むと主張しており、デジタル通貨について新法律は、規制の抜け穴を埋めるために、この秋にロシアの国会議員によって議論される予定とのこと。

ロシアの仮想通貨事情については、2月にロシアがウクライナ侵攻を始めてから、各国の仮想通貨取引所にロシア国民が所有するアカウントを停止させようとする試みがなされたが、主要取引所はこの要求を拒否。さらにロシア財務省は2月に、仮想通貨法の草案を政府に提出しており、この草案では今日の条例と同様、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などのデジタル資産への投資は認めるが、商品の購入に使用することは認めないというものであった。一方で、4月には、米国財務省が対ロシア制裁を回避する企業や個人に対する取り締まりの一環として、ロシア資本の仮想通貨マイニング企業Bitriver AGに制裁を加えている。