世界銀行がCARのビットコイン採用に心配
世界銀行(World Bank)は、中央アフリカ共和国(Central African Republic、※以下、CARと表記)が法定通貨としてビットコイン(Bitcoin/BTC)を採用したことによる透明性と経済的影響を懸念していることが判明した。
CAR大統領が5月24日(火曜日)に発表した、同国内初の具体的な仮想通貨採用イニシアチブに資金を提供することは「物理的に不可能」であると主張している。世界銀行は、国民国家のビットコインの採用にこれまであまり熱心ではなく、NEXTMONEYの2021年6月23日付特集記事「世界銀行は創設文書の定義によりビットコイン実装のエルサルバドル支援が義務」で報じたように、エルサルバドルがビットコイン法を施行した際、同機関は「環境と透明性の欠点」を理由に、同国への支援を拒否している。
世界銀行はCARへのサポートを拒否
世界銀行はエルサルバドルのビットコイン法施行の際と同じ懸念を理由に、CARへのサポートを拒否している。この件について世界銀行は大手メディアによるメール取材に対して次のようにコメントしている。
私たちは、環境の欠点に加えて、透明性だけでなく、金融包摂、金融セクター、および財政全般への潜在的な影響について懸念を抱いています。
透明性に関しては、中部アフリカ諸国銀行はCARのビットコイン計画について協議されておらず、イニシアチブに反対したと報じられている。実際、CARのジャスティン・グルナ・ザッコ(Justin Gourna Zacko)デジタル経済大臣も、仮想通貨は中央銀行による国際送金の管理を回避するのに役立つ可能性があることを強調している。
「中央アフリカ共和国が公式仮想通貨ハブ「サンゴ」を立ち上げる」で報じたように、CARの現計画「Sangoプロジェクト」は、デジタル国立銀行と、ライトニングネットワークと互換性のあるカスタム仮想通貨ウォレットを作成することである。同様の方法で、エルサルバドルもロールアウト中にChivoウォレットを発売しており、ビットコインの即時送金と、要求に応じてドルへの自動支払い変換が可能になっている。世界銀行は、このイニシアチブを支援していないと述べており、国への最近の3,500万ドル(約44億円)の融資は、CARの既存の金融システムを改善することを目的としていることを明らかにしている。しかし、CAR大統領は、「正式な経済はもはや選択肢ではない」と主張した事が報じられている。