FTX.USが一部のユーザー向けに株式取引を開始

FTX.USが一部ユーザーに株式取引を提供へ

人気仮想通貨デリバティブ取引所FTX.USが一部のユーザーに対して株式取引サービスを開始したと発表したことが明らかになった。

FTX.USはFTX Stocksのベータ版のアクセスを開始しており、これは、同社の取引アプリを通じて、一部のユーザーに対して株式取引サービスを提供するものだ。今回のサービスでは、対象となるユーザーは数百の株式やETF(仮想通貨上場投資信託)、その他の有価証券に投資する機会を得られるほか、場合によっては端株(はかぶ)取引(※1)も可能になるとのこと。

(※1)端株(はかぶ)取引とは…
1株の株式の売買単位に満たない端数株式で、1株の0.01株、100分の1株の事

米国拠点ユーザーに機能拡大予定

このプラットフォームは今後数カ月で米国に拠点を置く全ユーザーにこの機能を拡大する予定で、従来の金融機関やトレーダーを仮想通貨市場へ引き込むきっかけになるとされている。

FTX.USは、11番目に大きな仮想通貨取引所として知られており、24時間の取引高が2億5,000万ドル(約319億円)で、仮想通貨取引所FTXに関しては、同期間に30億ドル(約3,833億円)の取引高がある。FTXのサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)CEO(最高経営責任者)は次のように語っている。

公正な価格設定を行うため、ナスダックを通じて注文を行い、注文の流れに対する対価は受け取っていないため同社の収入はゼロです。私たちの目標はただ、顧客に素晴らしい体験を提供することであり、このサービスは来月中にプラットフォーム全体に拡大される予定です。

実際FTX.USは、規制状況をかんがみてバハマで登録された国際的な取引所の米国部門として、取引所は仮想通貨デリバティブによってプラットフォーム取引を可能にする金融会社となるため、CFTC(商品先物取引委員会)に正式な要請を行っていた。

一方で、FTX.USの社長であるブレット・ハリソン(Brett Harrison)氏は次のように語っている。

私たちの目標は、すべての資産クラスを網羅する総合的な投資サービスを顧客に提供することです。FTX Stocksの立ち上げにより、個人投資家が直感的なユーザーインターフェースを通じて、仮想通貨、NFT、伝統的な株式を簡単に取引できる単一の統合プラットフォームを構築しました。

今回の発表によりFTX.USは、株式取引を提供する初の仮想通貨取引所となり、仮想通貨機能も提供する人気の小売株式取引プラットフォームであるRobinhood(ロビンフッド)とeToroと競合することになる。そのため、FTX Stocksは、これらのライバルサービスに対抗するために、最低残高要件の撤廃、取引手数料の無料化、証券口座にUSDコイン(USD Coin/USDC)を入金することを可能にするなど、差別化を図っている。