SECがNVIDIAと550万ドルで和解へ
SEC(米証券取引委員会)は、米国の半導体メーカーNvidiaとの争いに関して、Nvidia側が550万ドル(約7億円)を支払うことで和解に応じたことが明らかになった。
インドアジア通信社が報じたところによると、SECはNvidiaがグラフィックカードを仮想通貨のマイナーにどれだけ販売したかという詳細を、違法に隠蔽したとして投資家を欺いたと主張。NVIDIAは今回の件に関して、SECのこうした調査結果を認めることも否定することもなかったが、約7.2億円(550万ドル)の罰金の支払いに同意してSECと和解したとのこと。具体的にSECは、NVIDIAが1933年証券法の一部と1934年証券取引法に存在する開示規定に違反したと主張しており、SECの命令は、ハードウェアとソフトウェアの会社が、適切な開示統制を維持し、適切な手続きに従う義務を怠ったことを非難している。
2018年のNVIDIAは、ゲーム事業からの収益の成長のかなりの部分が仮想通貨マイニングの販売に依存しており、業界のボラティリティを考えると、今回の罰金命令は、“開示しなければならないことを報告しなかった”という申し立てに起因する。
NVIDIAはマイニング事業とゲーム事業をさらに分離予定
NVIDIAのGPUは汎用性(はんようせい)があり、気象シミュレーションや、ディープラーニング、仮想通貨マイニングなど、さまざまな用途に使用可能であり、高い需要により欠品が続き、本来の用途で使いたいゲーマーからは不満の声が上がっていた。
NVIDIAは2021年2月、同社はイーサリアム専用のマイニング機器を発売し、マイニング事業とゲーム事業をさらに分離する計画を発表しており、SECの執行部門である暗号資産・サイバーユニットの責任者、クリスティナ・リットマン(Kristina Littman)氏は次のように語っている。
NVIDIAの情報開示の問題は、重要な市場における同社の事業を評価するための重要な情報を投資家から奪ったと考えています。新興技術を含む機会を追求するものを含むすべての発行者は、開示が適時、完全、かつ正確であることを保証しなければなりません。
SECは、収益が仮想通貨という変動性の高い事業に関連していることを開示していないことは、投資家が将来の業績予想を検討する上で差支えがあると判断。その一方で、CFTC(米商品先物取引委員会)は1日、当NEXTMONEYの特集記事「BitMEXの共同創設者に重大な規制違反および商品取引所法違反関与で罰金命令」で報じているように、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所が、BitMEXの共同設立者3人に対し、仮想通貨デリバティブ取引プラットフォームを違法に運営し、マネーロンダリング防止に違反したとして、総額3,000万ドル(約40億円)の支払いを命じている。
SECは現在、仮想通貨に対応する調査チームを強化しており、仮想通貨およびサイバー班の人員を50人に増やし、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)関連の調査にも重点を置いていく予定であるとのこと。