ドバイがDIFC裁判所の計画を承認

ドバイがDIFC裁判所計画を承認

ドバイは、グローバルビジネスおよび金融センターとしての首長国の地位を強化することを目的としたDIFC(Dubai International Financial Centre =ドバイ国際金融センター)裁判所の3か年計画を承認した事が分かった。

これには、新しいデジタル経済裁判所、知的財産権専用部門、電子機能を備えたオンライン裁判所、新しい遺言預金センター、デジタル遺言管理システム、多言語コンサルティングサービスの設置が含まれると、シェイク・マクトゥーム・ビン・モハメッド(Sheikh Maktoum bin Mohammed)副首相兼大臣がTwitterで述べている。

日本語訳:
神に讃えあれ、私たちはドバイ金融センターの裁判所の新しい計画を承認しました。これには、デジタル経済のための裁判所、知的財産の専門部門、遺言の遠隔登録のための新しいシステム、および新しいセンターの設立が含まれます。国内での遺言の寄託、および協議、承認、文書化のための包括的な仮想裁判所と新しいシステムの立ち上げ。

同大臣は、DIFC裁判所が世界的な紛争解決の新たなダイナミクスを形作るために前進するという確信をさらに深めるのに役立つ、新戦略的作業計画を承認し、戦略的作業計画は、DIFCの戦略的目標を積極的にサポートし、現在の要件を満たす法的な技術インフラストラクチャーの新時代を開始するために構築されることを明らかにしている。

デジタル経済関連の紛争対処に焦点を当てるDIFC裁判所計画

DIFC裁判所は、デジタル経済に関連する紛争対処に焦点を当てている.

同国は2021年に747件の訴訟を処理しており、請求額の合計は61億ディルハム(約2,126億円)に達している。また、2021年12月にDIFC裁判所は、新興セクター内の複雑な民事および商業紛争の解決プロセスを簡素化することを目的として、デジタル経済に関連する紛争に対処するための特別裁判所を設置している。

デジタル経済はUAEの国内総生産に約4.3%貢献しており、これはドバイデジタル経済会議所の数字である1,000億ディルハム(約3兆4,871億円)に相当し、かなり金額的にも大きい。執行評議会によると、DIFC裁判所の新しい4本柱となっている計画では、紛争解決の効率を高めるため、高度なテクノロジーによる完全なデジタルトランスフォーメーションが求められており、DIFC裁判所のディレクターであるオマールアルメイリ(Omar Al Mheiri)裁判官は次のように述べている。

デジタルプラットフォームの増加、ペーパーレスプロセス、仮想ヒアリングはすべて新しい現実になりつつあります。民間部門からの期待は、ますます公共サービスの大胆な関与を必要としています。最新の柔軟なデジタルインフラストラクチャーと司法およびサービスの卓越性を組み合わせることにより、DIFC裁判所は引き続き国際商業裁判所のベンチマークを設定します。

なお、新しいDIFC裁判所の計画は、28のプロジェクトで構成されており、新ハイパーコネクテッド司法ネットワークが、裁判所サービスへのより良いアクセスのための高度な法的手続きとともに開発されるとのこと。また、この計画では、新しい国際デジタル経済裁判所は、ビッグデータ、ブロックチェーン、仮想通貨、人工知能、クラウドサービスなどの新興技術に関連する紛争の解決に焦点を当てるとのこと。

DIFC裁判所は、エンドツーエンド(※始まりから終わりまで)のデジタル技術を採用し、裁判所システムがスマートで、ユーザーフレンドリーで、グローバルな商取引に対応するのに十分な機敏性を備えていることを保証すると、執行評議会は述べており、これは言語、国境、管轄権、通貨の障壁を埋めると述べている。