複数の仮想通貨企業がタッグを組む
複数の仮想通貨取企業が協力し、新しいマネーロンダリング防止ソリューションを立ち上げた事がわかった。
仮想通貨取引所であるCoinbase、Kraken、仮想通貨レンディング(貸付)サービスを提供するBlockFiなどの企業が協力し、新しいマネーロンダリング(資金洗浄)防止ソリューションを立ち上げた。トラベルルールユニバーサルソリューションテクノロジーは、企業がFATFトラベルルールに準拠するのを支援することを目的として立ち上げられたとのこと。
仮想通貨企業がTRUSTを開始
仮想通貨業界最大の複数企業は、マネーロンダリングに取り組むために力を併せている。
18社にのぼる仮想通貨会社と取引所のグループが2月16日(水曜日)、TRUST(TravelRule Universal Solution Technology)の立ち上げを発表。これは、これらの企業がFinancial Action TaskForceのマネーロンダリング防止トラベルルールに準拠するのに役立つマネーロンダリング防止ソリューションとのこと。
Coinbaseの発表によると、TRUSTによって、仮想通貨取引所がFATF(Financial Action Task Force=金融作業部会)によって法的に要求される情報を安全に送信できるようにする方法が詳しく説明されている。TRUSTは、マネーロンダリングとテロ資金供与の懸念に対処すると同時に、ユーザーの個人情報のセキュリティとプライバシーを確保するための包括的なコンプライアンスフレームワークを作成する。
TRUSTの発表に記載されている企業には、冒頭に述べた企業のほかに、仮想通貨取引所、Gemini、Bittrex、Anchorage、Avanti、Zodiaなどの機関投資家が使用する他の仮想通貨管理会社などが名を連ねている。
個人情報処理制度の高度化とFATFルールの遵守
FATFトラベルルールでは、すべての仮想資産サービスプロバイダーは、特定のしきい値を超えるトランザクションについて、カウンターパーティ間で特定の顧客データを送信する必要がある。
TRUSTを設立することにより、18社は、情報の処理方法に対する顧客の期待を尊重しながら、旅行規則をより適切に遵守できるようになり、個人データの中央ストアを使用せず、あるTRUSTメンバーから別のメンバーに情報を直接送信する。さらに、顧客情報が送信される前に、受信側の取引所が特定の仮想通貨アドレスの所有者であることを証明するメカニズムが含まれており、これによって適切な情報が適切な取引所に送信され、システムのセキュリティがさらに強化されるとのこと。
TRUSTが計画している次のステップ
TRUSTの次ステップは、仮想通貨業界全体に包括的コンプライアンスを提供できるよう、新しいメンバーを追加することだという。
現時点でBinanceとFTXは、現在TRUSTメンバーではない。これらの取引所が今後TRUSTに参加する予定なのか、独自のトラベルルールコンプライアンス手順を実施する予定なのかは不明だ。FATFの旅行規則への準拠は、国境を越えて顧客にサービスを提供することを目的とする仮想通貨企業にとって重要である。