プーチン大統領は仮想通貨をサポート|支払い手段としての役割にも言及

プーチン大統領は仮想通貨をサポートする方針

3番目に大きな仮想通貨マイニング大国であるロシアのウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、モスクワで開催されたロシアエネルギーウィーク会議で、仮想通貨をサポートする計画を述べたことが明らかになった。

CNBC International TV「Russia’s Vladimir Putin talks energy and geopolitics」より動画引用

(※ 動画は全編英語で放映されており、日本語訳が必要な場合は、画面右下に表示されるアイコンの中から「字幕」アイコンをクリックし、次に、「設定」アイコンをクリックして表示されたメニューの中から、「字幕」⇒「自動翻訳」⇒「日本語」の順に設定することで、大まかな日本語訳が表示されます)

支払い手段としての仮想通貨利用にも言及

ブルームバーグ経由のCNBCとのインタビューでプーチン大統領は、「仮想通貨は存在する権利があり、支払いの手段として使用できる」と述べている。ブルームバーグが述べたように、ロシアは数年前から国際貿易のために米ドルに代わる存在を探しており、仮想通貨に期待を寄せている。しかし、プーチン大統領は、決済部門における仮想通貨の可能性を認めた一方、資産クラスとしては不安定な性質を持っているため、石油取引を決済する際に米ドルに取って代わると断言するのは時期尚早であると述べたうえで、次のようにコメントした。

仮想通貨界はすべてが発展し、すべてが存在する権利を持っています。仮想通貨市場は絶えず変動しているため、それがどのように進むかを見届ける必要があります。


プーチン大統領とゲンスラー委員長の意見が一致

プーチン大統領の発言は、すべてではないものの、ほとんどの市場で仮想通貨の長期的な実行可能性はないと述べた、SEC  https://www.sec.gov/ (米国証券取引委員会)議長のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長と一致している。

実際、仮想通貨およびビットコイン(Bitcoin/BTC)は、米ドルのように有形資産に裏打ちされておらず、価格が非常に不安定であるのが特徴の一つである。それでも、仮想通貨はロシア国内では人気を高めており、中国のように厳格な規制を仮想通貨に設けないことで、新興資産クラスとしての発展の可能性が期待されている。

最近中国は、仮想通貨に対して大規模な取り締まりを実施したほか、米国当局も仮想通貨を規制するために取るべき措置を検討している。一方でロシアは、2021年1月にロシア連邦財務省が仮想通貨取引に対する規制を制定する準備を始めていることが報じられており、仮想通貨を全面的に規制するのではなく一定条件下で認めていく考えを示している。さらに、ロシアのアレクセイ・モイセエフ(Alexey Moiseev)財務副大臣は最近、国がビットコインを禁止しないことを明らかにしており、ロシア政府は近隣大国とは異なった対応を取っている。

ロシアでは当初、犯罪利用への発展の懸念から、仮想通貨を全面的に禁止する姿勢を見せていたが、詐欺などの犯罪リスクの減少と仮想通貨取引による税収への期待から、大きな方向転換を行ったと言える。