FBIは、仮想通貨詐欺師が舞台を出会い系アプリのロマンス詐欺に移動

仮想通貨詐欺がロマンス詐欺アプリを構築

FBI(Federal Bureau of Investigation=米国連邦捜査局)の情報によると、仮想通貨詐欺師は現在、不正な仮想通貨スキームにユーザーを誘い込むためのマッチングアプリを開発していることが明らかになった。

新たなロマンス詐欺では、信頼できるロマンチックな関係を構築するためにマッチングアプリでサクラを使用し、信頼関係が構築できたところで投資ポートフォリオに似たウェブサイトに誘導する手口だ。これらのサイトに一度仮想通貨を送金してしまうと、二度とお金を引き出すことはできず、音信不通になり詐欺師は姿を消してしまう。このようなマッチングアプリにはカスタマーサービスグループが用意されており、被害者であるユーザーがカスタマーサービスに相談した段階で、サクラに姿を消すように合図するという巧妙な手口だ。また、アプリ内で性的な写真やビデオを要求し、それらを家族や友人に明らかにすると脅迫することで仮想通貨を要求するという手口も。

パンデミックで詐欺手口も大きく変化

パンデミックの影響で人々はテクノロジーへの依存が一層大きくなり、北米だけでも昨年、1,400の出会い系サイトが立ち上げられている。

2015年から2020年にかけて、ショッピング詐欺で4億2,000万ドル(約459億円)近くが失われたのに対し、ロマンス詐欺は2019年から50%増加し、3億400万ドル(約332億円)の損失を記録している。ProPrivacyのデジタルプライバシーエキスパートである(ハンナ・ハートHannah Hart)氏はこれらの件に関連して次のように語っている。

デジタルの世界は私たちの新たなデートの場になっており、残念ながら、詐欺師にとっても新たな標的となっているようです。実際、2021年の前半だけでも、FBIインターネット犯罪苦情センター(IC3)は、オンライン詐欺に関する1,800件を超える苦情を受け取っており、これらの被害は米国だけで1億3000万ドルを超えると推定されています。

ソーシャルメディアは、詐欺師が簡単にアクセスできる個人情報が大量に存在している場であり、被害者を見つけて標的にしようとしている詐欺師にとって豊富なリソースになっている。これに対してFBIは、オンラインでのみ出会う人物に仮想通貨、社会保障番号、銀行口座の詳細、身分証明書のコピーなどの個人情報を送金しないように警告しており、疑わしい場合は当局に連絡することを推奨している。