BinanceがKYC未確認ユーザーの1日あたり引き出し限度額を引き下げへ

BinanceがKYC未確認ユーザーの引き出し限度額を引き下げ

BinanceがKYC(本人確認)未確認のユーザーの1日あたりの引き出し上限について、以前の制限である2BTCから、毎日最大0.06BTCに引き下げたことが分かった。

取引量で世界最大の仮想通貨取引所であるBinanceは、KYC未確認のユーザーの1日の引き出し限度額を再調整し、97%削減し、公式ブログの中で次のように発表している。

基本的なアカウント検証のみを完了したアカウントの場合、1日の引き出し限度額は0.06BTCに調整されます。


既存ユーザーは段階的に限度額を引き下げ

今回の措置によってBinanceでは、KYC未確認のユーザーのアカウントについて、1日最大0.06 BTC(約24万円)までしか引き出せなくなった。

新規アカウントでは、レバレッジ倍率も7月19日以降、KYC済みのユーザーは、最大125倍のポジションを利用できるのに対して、20倍のレバレッジでのみBinanceFuturesで可能となった。この変更は、新規ユーザー向けに実装。既存ユーザーには、2021年8月4日の午前00:00(日本時間の8月4日9:00)から開始され、2021年8月23日の午前00:00(日本時間8月23日9:00)に段階的に実施される予定で、公式発表は次のように述べている。

ポリシーを継続的に見直し、業界標準を超えていることを確認します。この調整は、現在のBTC価格をより適切に説明します。本人確認を完了することで、引き出し限度額を引き上げることができます。


BianceのKYC要件欠如が今回の限度額引き下げにつながる

Binanceは顧客登録の際、ユーザーに対して正式な名前、住所、個人の電子メールを送信するよう求めているが、これらは政府発行の公式身分証または文書などを必要としておらずKYCの必要性が叫ばれていた。

実際、マネーロンダリングなどの違法行為を抑制するためにほとんどの仮想通貨取引所では、毎日の引き出しに制限を設けることが一般的となっているのに対し、アカウントが完全に認証され、ユーザーがIDを送信すると、24時間ごとに最大100 BTC(約4億円)を引き出すことができるとのこと。

今回の動きは、BinanceがKYCと財務報告ルールの欠如をめぐり、世界中の規制当局からの多くの非難に直面していることが一つの理由であると考えられており、Binanceのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙長鵬)CEO(最高経営責任者)は次のように述べている。

あらゆる場所の地域の規制をより遵守するために積極的な措置を講じており、規制順守の経験を持つリーダーシップを積極的に採用しています。