ベトナム政府は国営銀行を通じてCBDCをパイロットする計画

ベトナムのデジタル通貨への取り組み

ベトナム政府は、ソブリン(※法定通貨の事)デジタル通貨が国の法定通貨に取って代わることはないと述べているが、ベトナムはCBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)を調査している事が分かった。

2021年7月12日(月曜日)のNIKKEI Asiaによると、CBDCを調査するというベトナム政府の決定は、6月のグエン・スアン・フック(Nguyen Xuan Phuc)首相の決定電子政府戦略に基づいている。2021年から2025年の間に、この戦略はデジタル政府の創設を目指しているとのこと。

RMIT大学ベトナムのFintech-CryptoHubのコーディネーターであるビン・グエン・タン(Binh Nguyen Thanh)氏は、電子政府の成長戦略がCBDCの構築を促進する可能性があると主張。タン氏は、ベトナム政府が他の国で進行中のデジタル通貨イニシアチブを追跡するかもしれないと示唆している。さらに同氏は、ベトナムがデジタル通貨パイロットを含む可能性のあるフィンテック規制サンドボックスの確立に取り組んでいると述べているベトナム政府は以前、ベトナム国立銀行にブロックチェーンベースのデジタル通貨トライアルの実施を要求しており、トライアルスキームは2021年から2023年の間に実施されることが計画だ。

ブロックチェーンを実験してきたベトナム

ベトナムはCBDCを実験している国リストに加わったように見えるが、国は常にビットコインを手放しで迎え入れる体制とは限らない。

2018年、ベトナムの当時の首相であり、現在のフック大統領は、金融機関に仮想通貨ベースの消費者へのサービスの提供を停止するように命令している。また、財務大臣は同年に仮想通貨マイニング設備の輸入を禁止することを提案。企業は当局により、仮想通貨を扱うことを禁じられている。さらにベトナムの元警察司令官が、2020年後半にビットコイン詐欺に参加することに対して警告している。しかし、同じ年の5月、ベトナム財務省は、仮想通貨業界の規制法を分析および提案するための調査委員会の設立を検討していると発表している。

CBDCは人気を集めており、より多くの中央銀行がソブリンデジタル通貨を実験またはテストしている。仮想通貨に対する懐疑的な見方にもかかわらず、ベトナム政府はすでにブロックチェーン技術から利益を得る方法を発見しているのが注目すべき点である。

ベトナムの教育訓練省は昨年、高校と大学の卒業証書をブロックチェーンに入れている。ベトナム政府は、電子識別(eKYC)システムを含むブロックチェーンのさらなる使用を求めているものの、詳細はまだ発表されていない。しかし、現在のペースで研究および開発が続けば、ベトナムは教育ブロックチェーンの分野でマルタを追い抜くことも夢ではない。

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