フランス中央銀行総裁、仮想通貨規制の「残り時間があまりない」と語る

欧州連合には仮想通貨規制枠組みの時間が残り1年か2年

フランスの中央銀行にあたるフランス銀行(Banque de France)のフランソワ・ビルロイ・ド・ガルハウ(Francois Villeroy de Galhau)総裁が、仮想通貨に関する規制の枠組みを緊急に導入するよう求めた事を海外メディアが報じた。

フランスの現地メディアBFMビジネスの報道によると、フランス銀行総裁のビルロイ総裁は、ヨーロッパは仮想通貨規制を優先するか、デジタル資産がその金銭的主権に挑戦するリスクを冒すべきであると述べた。6月29日(火曜日)に開催されたパリユーロプレイス金融会議の場で、同総裁は次のように警告している。

ヨーロッパの金融主権は侵食のリスクにさらされるでしょう。私はここで緊急性を強調しなければなりません。私たちは1年か2年しか残り時間がありません。デジタル通貨と支払いの両方で、ヨーロッパはできるだけ早く行動する必要があります。行動を起こさないことは「私たちの通貨主権の侵食のリスク」であり、ユーロを弱体化させる可能性があります。


EUの金融主権を守るためには規制枠組み採用が急務

ビルロイ総裁は、仮想通貨が地域市場で果たす役割が高まっていること考慮し、EU(欧州連合)に対して今後数カ月以内に規制の枠組みを採用するよう求めている。

2020年末より続くコロナパンデミックの影響を受け、最初のカ月間、厳しい外出制限などの影響を受け、現金使用が減少。この件について同総裁は中央銀行の限界化につながる可能性があると述べている。

フランス銀行総裁は以前、ステーブルコインや中央銀行のデジタル通貨、またはCBDCを含む仮想通貨の潜在的リスクに対して規制当局に警告しており、2020年9月には、同総裁によって大手ハイテク企業が「民間の金融インフラと通貨システム」を構築する可能性があると指摘されている。この発言には、独自のステーブルコイン発行も含まれており、後れを取ることでEUの金融主権に今後数十年にわたって悪影響を与える可能性があるとみられている。