日本の金融庁がBybitに警告
日本の金融庁が、無登録で日本において仮想通貨取引行をしているとして、シンガポールに本拠を持つ仮想通貨取引所Bybit(バイビット)に警告を発したことが分かった。
金融庁は5月28日(金曜日)、仮想通貨デリバティブ取引所Bybitに対し、無登録でインターネットを通じて日本居住者を相手方として仮想通貨交換業を行ったことについて警告を発した。金融庁による警告は、3年以上ぶりの警告となった。前回警告を発したのは2018 年 3 月、未登録で事業を行ったとして、Binanceに警告している。
Bybitに警告が発せられたのは2度目で、1度目の警告は英国FCA(金融行動監視機構)がBybit に対して警告を発し、英国内での業務を停止に至っている。この警告を受けて、Bybitは暗号市場で厳しい時期に直面している。
Derivatives exchange Bybit has given the most severe measures: on June 15th, it will close the accounts of all registered users of Chinese mobile phone numbers. Bybit banned Chinese IP in 2020. It was founded by the Chinese team in Shanghai. pic.twitter.com/JYnqXQ2bAN
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) May 25, 2021
中国では、NEXTMONEYの特集記事「Bybit、6月15日に中国の電話番号に登録されている全アカウント閉鎖へ」 で報じたように、Bybit は中国の電話番号で登録されたすべてのアカウントを6月15日までに閉鎖すると発表したばかりだ。最近、多くの国が仮想通貨ビジネスに注目し、警告を発している。日本発の警告は心配かもしれないが、日本国内のトレーダーとしては特に目新しい金融庁の動きとは捉えられていない。
マーケティングキャンペーンが警告のきっかけか
今回金融庁が3年ぶりでBybitに対して警告を発した背景には、マーケティングキャンペーンが影響しているのではないかとみる市場関係者の声も聞こえている。
テックハブ東京フィンテックの創設者兼代表取締役であるノーバート・ゲールケ(Norbert Gehrke)氏によると、この警告は、日本の投資家をターゲットにしたとされるバイビットのマーケティングキャンペーンに対応したものだという。同氏は5月30日付のブログの中で次のように語っている。
未登録事業を営むことに対するそのような公の叱責はしばらくの間起こらなかったので、FSAは彼らのウェブサイトを日本語で提示し日本のIPアドレスをブロックしないという一般的な違反を超え、日本の投資家へのBybitによる積極的なマーケティングを目撃したと推測されます。
同氏は、Bybitの日本のウェブサイトは、地元の投資家がプラットフォームへのアクセスを許可されておらず、地元のIPによるプラットフォームへのアクセスをブロックしていないと主張。パナマを拠点とする仮想通貨デリバティブ取引所 Deribit(デリビット)のような他の取引所が、日本に拠点を置く IP アドレスをブロックしていると指摘した。なお、Deribitは2020年5月1日、日本のユーザーがプラットフォームにアクセスすることを制限している。