Binanceが株式のトークン化を発表
世界最大クラスの仮想通貨取引所Binance(バイナンス)は4月12日(月曜日)、株式のトークン化サービスである「Binance Stock Tokens」を発表。第一弾はテスラ社の株トークンの取引を提供すると公表した。
Binanceは、仮想通貨取引所FTXやBittrex Globalなどの競合他社と同様、年々厳しさを増していく規制当局の手順に従い、ドイツの認可投資会社のCM-Equity AGおよびスイスの資産トークン化プラットフォームであるDigital AssetsAGと提携を結び、今回のトークン化にこぎつけている。
2020年に世界初のトークン化証券を販売しているFTXやBittrexGlobalと異なる点として、Binanceは市場時間中にのみサービスを許可する。トレーダーはNasdaq(ナスダック)の営業時間内にテスラ株を売買できる。株式トークンの価格は、取引所のネイティブの米ドルペッグステーブルコインであるバイナンスUSD(Binance USD/BUSD)で決済されるとのことでBinanceのCZことチャンペン・ジャオ(Changpeng Zhao:趙長鵬)CEO(最高経営責任者)は次に用に語っている。
Binanceは世界中の多くのユーザーにサービスを提供しており、株式市場への参加を支援できることを非常に嬉しく思います。ストックトークンは、コンプライアンスやセキュリティを損なうことなく、価値の移転をよりシームレスに民主化し、アクセシビリティへの摩擦とコストを削減する方法を示しています。従来の市場と仮想通貨市場を接続することで、より包括的な金融の未来のための別の技術的な架け橋を構築しています。
株式トークン取引では、規制要件に従い、KYC(本人確認プロセス)審査が必要であるほか、米国や中国などの規制された国や地域では利用できない。また、同取引所では、現在、第一弾としてテスラ株のトークン取引が開始されるが、今後取引可能な株式トークンが拡大することも示唆している。
BinanceのCZ氏は法定通貨を所有していない
常に新たなサービスを提供し続け、仮想通貨取引所のリーダーであり続けるBinanceだが、そのBinanceをけん引するCZ氏が、ブルームバーグの取材の中で、法定通貨を所有していない事を明らかにした。
実父の歴史や自身の幼少期の話、果ては日本でインターンシップを取得し、現在の従業員1,700人を抱えるまでの話など、CZ氏のルーツを語った中で、「何かを所有することよりも流動性を重視する人の1人です。私は実際には何も所有したくない」と語り、自宅や車を所有していない事。そして自身の純資産が100%に近い比率で仮想通貨に投資している事を明かしている。
CZ氏はこれらの資産を法定通貨に帰るつもりは今後もないと語っており、8,000億円以上の資産が全て仮想通貨として保有しており、根っからの仮想通貨人ぶりを明かしている。
CoinMarketCapの調べによると、Binanceの24時間の取引高は4兆4,235億円で世界1位となっているほか、同社がするバイナンスコイン(Binance Coin/BNB)はビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)に続き、時価総額ランキング3位、時価総額¥9兆4,520億円を超える巨大規模にまで上り詰めている。