ダークネット市場が17億ドル相当を獲得
Chainalysisの最新レポート「2021 Crypto CrimeReport」によると、ダークネット市場は2020年に17億ドル相当の仮想通貨を獲得していることが分かった。
Which countries drove darknet market activity in 2020? https://t.co/JsYZZihtUJ
— Chainalysis (@chainalysis) February 1, 2021
2020年の1年間で、ダークネット市場は計17億ドル、約1,800億円相当の仮想通貨を記録しており、仮想通貨関連データを提供するChainalysisが発表した報告書によると、単一プラットフォームがその数字の75%を占めていることが分かった。ダークネット市場からの個人購入数は2020年に減少。収益については2019年からほぼ横ばいの結果であったものの、Hydra(ヒドラ)と呼ばれるダークネットサイトでの仮想通貨でのやり取りが際立っていたことが分かった。
Chainalysis より画像引用
Hydraは2020年に世界のダークネット市場の収益の75%を占めただけでなく、ロシア語圏の国にのみサービスを提供するという、独特な運営スタイルである事がデータ分析を手掛ける研究者らが発見。同時にHydraが世界で最大のプラットフォームとなった事も分かった。研究者によると、Hydraは、東ヨーロッパの仮想通貨を利用した犯罪の大きな推進力となっている。
Chainalysis より画像引用
東ヨーロッパでは、犯罪活動に関連する仮想通貨取引量の割合が最も高い地域の1つだ。Hydraは最終的に英語圏の国にも拡大する可能性があると指摘されており、それを裏付けるかのように、Hydraは東ヨーロッパに限定しないグローバルダークネット市場であるEternos(エターノス)の作成に向けたICO(Initial Coin offering=新規仮想通貨公開)を通じ、1億4600万ドル、約153億円を調達する計画を発表した。しかし、この計画は延期されており、犯罪側もコロナウイルスのパンデミックに直面して苦しんでいるようだとChainalysisは主張している。
Hydraが最終的に米国とヨーロッパに頭を拡大すると、匿名の宅配便業者に薬物の配達を割り当てるためのプラットフォームの「Uberのような」システムが出現し、法執行機関に多くの新たな頭痛の種を生み出す可能性があると指摘されている。
なお、ダークネットプラットフォームに最も多くの仮想通貨を送信していたのはロシア、次に米国、ウクライナ、中国と続いている。最初の4カ国の他に、英国、ベネズエラ、ベトナム、トルコ、インド、ドイツも調査でまとめられたリストにランクイン入りしている。