バイナンスUSの最高リスク責任者と法務責任者が辞任
SECによる監視の目が一増強まるなか、クリシュナ・ジュバディ(Krishna Juvvadi)氏とシドニー・マジャリヤ(Sidney Majalya)氏が辞任し、バイナンスUS(Binance.US)の幹部2名がその職を辞する事が分かった。
Binance.US CEO(最高経営責任者)のブライアン・シュローダー(Brian Shroder)氏の退任からわずか数日後、同取引所はそのリーダーシップに再び大きな変動をもたらし、ジュバディ法務責任者とマジャリヤ最高リスク責任者がその職から退く。ジュバディ氏の法的洞察力を導入することに加えて、同取引所はインテル(Intel)で磨かれたマジャリヤ氏のコンプライアンスに関する洞察からも恩恵を受けていた。同取引所の退職の波は、同社従業員3分の1が解雇された大規模人員削減に続いて発生したものであり、決して孤立した問題ではない。
バイナンスUSに対する規制圧力の高まり
バイナンスUSは、SEC(米国証券取引委員会)からの監視の強化に取り組んでいる。
その結果、規制当局による注目は同社の経営陣に影響を及ぼしている。SECが2023年6月に起こした訴訟は、バイナンス(Binance)とジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)をターゲットにしており、未登録取引所としての機能を含む複数の違反を主張している。この法的措置により、CFTC(商品先物取引委員)など他の米国規制機関が提起する懸念がさらに高まる。同社の広報担当者は声明で、SECの「積極的な動き」が米国の雇用とイノベーションに波及効果をもたらしていると指摘。さらに、ジュバディ氏もマジャリヤ氏も退任について沈黙しており、コメントは発していない。
こうした変化は、グローバルプロダクトリードのマユール・カマット(Mayur Kamat)氏やパトリック・ヒルマン(Patrick Hillmann)CSO(最高戦略責任者)などの主要幹部が早期に退任したことにも起因している。
現在の混乱により、バイナンスUSは重大な岐路に立っており、今後数カ月は、取引所と、これらの動向を熱心に観察している広範な仮想通貨業界にとって極めて重要である。進化する状況は、バイナンスにとって内部および外部の両方の課題に満ちており、米国ではさらに、法務およびリスク管理のトップ責任者の退任は、現在の苦境の深刻さを浮き彫りにしている。