CFTCが新方針を提示、デリバティブ市場にステーブルコイン担保の道

米商品先物取引委員会(CFTC)がデリバティブ市場におけるステーブルコイン担保を検討する様子を表現したイラスト

米CFTCがトークン化担保の新イニシアチブを開始、意見募集を実施

CFTC(米商品先物取引委員会)は、デリバティブ市場でステーブルコインを含むトークン化担保の活用を進める新イニシアチブを発表した。

現時点では拘束力のある規則ではなく、関係者や一般からの意見を募る段階にある。意見提出の期限は2025年10月20日(月曜日)である。委員長代行のキャロライン・ファム(Caroline Pham)氏は、担保管理の近代化と資本効率の向上を狙いと位置づける。発表は大手仮想通貨企業の声明を伴い、産業界の関与を前提に進む構図が示された。

取り組みの概要と産業界の反応

CFTCは、デリバティブ市場におけるトークン化担保の利用促進を掲げ、ステーブルコインを担保として認める方向性を示し、同委員会が進める取り組みの一環であり、大統領デジタル資産市場作業部会の勧告に沿って制度設計を検討する。

意見募集とあわせて、サークル(Circle)、コインベース(Coinbase)、リップル(Ripple)、クリプトドットコム(Crypto.com)、テザー(Tether)などから支持や協力の声明が寄せられている。

手続きの位置づけ

本件は規則改正の最終決定ではなく、利害関係者からの入力を得るプロセスである。CFTCは意見募集ページを通じて提案や論点の提出を呼びかけ、今後の規制運用や必要な改正の方向性を詰める。

期待される効果と残る課題

ステーブルコインの担保活用は、清算や決済の効率化に資する可能性がある。

担保の評価・保管・決済に関する明確なルールが整備されれば、機関投資家にとっての実務上の確実性が高まる。一方で、どの資産を担保対象とし、どのようなリスク管理基準を適用するかは引き続き検討事項である。CFTCは業界と協働し、ガードレールの設計や必要な規則整備を検討していく。

今後の見通し

CFTCは、10月20日までに寄せられるパブリックコメントを集約したうえで次の措置を判断する予定である。正式な制度化の可否や具体的な適用範囲は、意見募集の結果とその後の検討に基づいて決定される見込みだ。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム