第2回デジタル人民元パイロットテスト、2万件の取引実行
中国で行われているデジタル人民元パイロットテストにおいて、すでにeコマース会社JD.comを通じて約20,000件の取引が行われていることが分かった。
地元メディアのGlobalTimesによると、1980年代と1990年代に生まれたミレニアル世代の80%がパイロットテストでプラットフォームを利用し、先週金曜日の夜からデジタル人民元での取引が開始されてから少なくとも1回で、1,527ドルを超えた取引が確認されたという。
第2回目となるデジタル人民元パイロットテストは、中国のインターネット大手3社が人民元のパイロットテストへの参加を表明したことにより、12月12日午前0時に始まるオンライン通販イベントを前に、1人当たり200元を抽選で10万人に配布され他ことにより開始された。
パイロットテストの当選者は、12月11日20:00から12月27日24:00までの間、蘇州地域の指定されたオフライン販売店または、Jingdongモール(京東商城)を通じてオンラインで決済を行うことが可能だ。さらに、DiDi、Meituan、Bilibiliの3社が今年7月、デジタル人民元の開発に参加するため、パートナーシップを締結しており、今回のパイロットテストではDiDiの配車サービスなどでも利用可能となっている。
今回、デジタル人民元が使用可能な商店数は約1万店に上り、前回の深セン市で開催された第1回目のパイロットテスト対象店舗の2倍以上の規模での実施である。また、蘇州市でデジタル人民元パイロットテストが行われたことに関しては、中国国内で毎年恒例のダブル12オンラインショッピングフェスティバルで、国内消費を増やすために計画されたとの背景もある。
上海のデジタルルネッサンス財団のマネージングディレクターであるCaoYin氏は、デジタル人民元の国民全体への発行は、今後もテストが続くだろうと以下のように説明してる。
2021年、中国は引き続き人民元をテストするためのシナリオを模索するが、大規模なローンチはまだありそうにない。当局がデジタル通貨を安全に発行できると確信するまで、中国政府はおそらく対照試験を続けるだろう。
デジタル人民元のパイロットテストを開始して以来、中央銀行は北京と天津、および周辺の河北省を含むテスト都市の数を拡大することを検討しており、2月に北京で開催される予定の2022年冬季オリンピックの前に、デジタル人民元をリリースする可能性があることから、今後も引き続きデジタル人民元から目が離せない。