Crypto.comが金融ライセンスを確保
香港に拠点を持つCrypto.com(クリプトドットコム)が、プリペイドカードの提供などの金融サービス業を展開するThe Card Group Pty Ltd社の買収を通じ、ASFL(Australian Financial Services Licenceオーストラリアの金融サービスライセンス)を取得した。
このライセンスは、オーストラリアの外国投資審査委員会によって承認されたもので、同ライセンスを取得したことによって、Crypto.comはオーストラリアで仮想通貨デビットカードの発行が可能になるという。
Crypto.comではアプリサービスを提供しているほか、仮想通貨取引所、DeFiウォレット、Visaカードの発行などを展開する企業で、最近、ユーザーがアプリを介して法定通貨ウォレットに通貨を直接入金できるようにすることで、オーストラリアドルの送金のサポートを発表している。
同社は、ASFLを基盤として、オーストラリアで独自のカードを合法的に発行できるほか、オーストラリアでデビットカードを今後発売する予定を立てているという。さらに、オーストラリアのより広範な金融サービスシステムの関係者とともに国内消費者と直接的な関係を確立するライセンスを取得するという。Crypto.comのクリス・マルスシャラーク(Kris Marszalek)CEOは今回の買収に伴い、次のように述べている。
11月下旬、Crypto.comは、決済会社の運営方法と提供できるサービスを管理する2つの金融ライセンスについて、マルタ金融サービス局から予備承認を受けました。
買収された企業であるThe Card Group Pty Ltd社は、カード所有者のエンゲージメントを強化するため、プリペイドカード、モバイル、およびウェアラブルソリューションの提供を専門としている。
なおCrypto.comは、オーストラリアユーザーベースを確立するため、すでに一歩を踏み出しており、ユーザーの銀行口座からNPP(PayID)またはBPAYを介してプラットフォームでオーストラリアドルの送金が可能になった。
特定の金融サービスを含む活動を行うすべてのブロックチェーンビジネスは、オーストラリアで運営するASFLを確保する必要がある。その理由としてオーストラリアは、マネーロンダリング(資金洗浄)防止およびテロ対策融資法2006に準拠しなければならないと定められている。
オーストラリアは、仮想通貨事業者にとって比較的寛容な国であると見なされている。同国がこれまでに導入した措置は2014年にさかのぼる。初期セクターの長期的な認識を利用しているものの、ブロックチェーンテクノロジーは、まだ発展途上の域を脱却していないだけに、今回の買収を通じたライセンス取得は、Crypto.comの目指す事業展開に重要な意味を持っている。