1,000億円の詐欺被害WoToken、運営者に9年の懲役を宣告
1000億円規模のポンジースキームを行なったとして逮捕されたWoTokenの運営者が、9年の懲役を宣告された。
中国塩城市の裁判所は Li Qibing氏、Gao Yudong氏、Tian Bo氏、Wang Xiaoying氏の4人が70万人以上の中国国民から11億ドルを騙し取ったとして、9年の懲役を下したとのこと。さらに裁判所は、法執行機関に対して、WoToken詐欺によって騙し取られた4億2500万元(6360万ドル)相当の利益を差し押さえるよう命じた。
しかし、WoToken全体では1000億円ほどの資金が騙し取られているため、この4億2500万元はおよそ60億円と、甚大な被害金額のほんの一部に過ぎない。
判決の中で裁判所は、4人がWoTokenをあたかも収益性の高い取引プラットフォームであるかのような嘘の宣伝をしたと述べ、資金を騙し取った悪質性の高いマルチ商法のポンジースキームであると指摘している。資料に書かれていた取引プラットフォームやアルゴリズムボットは、実際には存在しておらず、マーケティング資料にのみ記載された架空のものであったことも明らかになっている。
このようにWoTokenは明らかなポンジスキームの様相を呈していたが、裁判所の文書によると、715,249人の中国人投資家から合計で約77億元(11.5億ドル)を騙し取ることに成功し、当局は今年5月に主要な運営者を逮捕していた。
WoTokenの詐欺スキームとは
WoTokenは3年前に、プラットフォームがアルゴリズム取引ボットを活用して投資家に莫大な利益をもたらす仕組みとして6人によって立ち上げられたもので、投資家は他の投資家を紹介することで利益が得られる仕組みとなっていたようだ。
WoTokenは、中国で投資家から30億ドル以上を奪った悪名高い仮想通貨詐欺PlusToken事件のすぐ後に起きたことや、主要なPlusTokenオペレーターの1人がWoTokenに深く関与していることから「PlusToken2.0」と呼ばれていた。
WoTokenの運営者には懲役判決が下されたものの、騙し取られた1000億円の返金などについては今の所進展を見せておらず、被害者の投資家に資金されるかどうか注目していきたい。