FTC米国連邦取引委員会が仮想通貨広告の不正行為調査を開始

米国連邦取引委員会が仮想通貨広告の不正行為について調査へ

FTC(Federal Trade Commission=米国連邦取引委員会)は、仮想通貨とデジタル資産に関する事実と主張を誤って伝えた可能性のある広告の不正行為の可能性について、多くの仮想通貨企業の調査を開始した事が分かった。

大手メディアであるブルームバーグの報道によると、FTC のスポークスウーマン、ジュリアナ・グリュンヴァルト(Juliana Gruenwald)氏は、金融規制当局が「デジタル資産に関する不正行為の可能性について」複数の仮想通貨企業を巻き込んだ調査を実際に開始したことを明らかにした。同氏はこれ以上の詳細を提供しておらず、特定の仮想通貨会社が調査の対象として指名されていない。ただし、破産したFTXに対して行われている法的手続きにより、調査が拍車をかけられている可能性がある。

有名・著名人にも調査の目が

仮想通貨分野における誤解を招く広告や有料プロモーションは、仮想通貨投資家の反発の対象となっており、FTC などの米国の金融規制当局の詮索の目にもなっている。

最近では、モデル兼女優であり起業家でもあるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)氏が、仮想通貨プロジェクトであるイーサリアムマックス(EthereumMax/EMAX)を宣伝するSNSでの同氏の行動に対し、SEC(米国証券取引委員会)から罰金を科されている。インフルエンサーとして活躍している同氏は、トークンを宣伝するために報酬を受け取ったものの、取引を明らかにしていない。FTCは、NFL(National Football League=米国のプロアメリカンフットボールリーグ)スターのトム・ブレイディ(Tom Brady)氏、NBA(National Basketball Association=北米で展開の男子プロバスケットボールリーグ)の偉大なステフィン・カリー(Stephen Curry)氏の 2 人のアスリートについても、同様の調査を開始。これは、2022年のFTXのプロモーションへの関与に関連している。

ただし、このイニシアチブはFTCだけではなく、2021年半ばには、英国の広告基準局は仮想通貨広告にフラグを立てている。仮想通貨を宣伝している、または広告資料を作成する代理店として仮想通貨会社と協力している少なくとも50社に施行通知を発行。同様のイニシアチブは、フロイド・メイウェザー(Floyd Mayweather)氏、ラッパーのエミネム(Eminem)氏、スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)氏などの有名人にも調査が行われている。