GeminiがGenesisから9億ドルの債務を負い窮地に
仮想通貨ブローカーGenesisとその親会社であるDCG(Digital Currency Group)は、ウィンクルボス兄弟仮想通貨取引所Geminiの顧客に9億ドル(約1,232億円)の借りがあることが明らかになった。
大手メディアの報道によると、仮想通貨取引所Geminiは、Genesisが先月のサム・バンクマン‐フリード(Sam Bankman-Fried)氏のFTXの崩壊によって誤った方向に進んだ後、資金を回収しようとしているとのこと。というのも、仮想通貨取引所FTXが破産したことで、Genesisグループのユーザーの多くが影響を受けたことが新しい報告書で明らかになっており、損失は特にGeminiに影響を及ぼしているとのこと。ウィンクルボス兄弟は、Facebook から2,000万ドル(約27.4億円)の和解金を利用して、仮想通貨をいち早く採用した一人者であり、Genesisという仮想通貨ブローカーから約10億ドル(約1,370億円)の負債を負っている。
これを受けて、ハーバード大学の卒業生たちは、Genesisと親会社のDCGから、失った投資を回収するために債権者委員会を立ち上げたとのこと。
一定リターンの見返りでGenesisに巨額を貸していた
Geminiは、Facebookの和解をきっかけに2014年に設立され、ザッカーバーグ氏のソーシャルネットワークの基礎作りを手伝ったウィンクルボス兄弟に、一定リターンの見返りとして、Genesisに9億ドルのデジタルコインを貸したと伝えられている。
しかし、FTXの最近の財政破綻を受けてGenesisは、破綻に起因する前例のない市場の混乱を理由に、そのリターンを実現するために必要な資金を持ち合わせていないと述べている。また、DCGのバリー・シルバート(Barry Silbert)CEO(最高経営責任者)は、Genesisの仮想通貨融資部門に5億7,500万ドル(約787億円)の負債があると株主に対して語っている。Genesisによると、同社は現在約28億ドル(約3,833億円)の有効なローンを抱えており、親会社のDCGは20億ドル(約2,738億円)の負債を抱えているとのこと。
このうち17億ドル(約2,327億円)は子会社のGenesis社が負担しており、同社の財務状況がいかに深刻であるかを物語っている。大手メディアのタイムズ紙が報じたところによると、同社は取引・融資プラットフォームに資金を預けられている数百万人の顧客の資金を回収することに奔走しているとのこと。