ドージコイン(Dogecoin/DOGE)の特徴・詳細とは?

仮想通貨市場は送金やブロックチェーンにに特化したコインが増加しています。その中でも異色の特徴を持ち、「お遊びコイン」「ジョークコイン」「ネタコイン」と紹介され、不思議な位置づけのDogecoin(ドージコイン/DOGE)。2013年発行され、仮想通貨市場の激動的な時代を歩んできたベテランのコインです。

技術的に革新的なものはなく、経済的に大きな覇権を取ることもおそらくありえないと言えますが、しかしその存在感は確固たるものがあります。

その理由は、インパクトのあるロゴマークやその由来、柴犬の可愛さ、着実な寄付の実績と、ユーモラスかつナンセンスで、あまり不幸な印象のない雰囲気が大きく寄与しているのでしょう。もしかしたら、Dogecoinこそが仮想通貨文化そのものを表していると言えてしまうかもしれないほどに、特異ながらも目を引くキャラの立ったコインです。

そんな親しみやすい仮想通貨「Dogecoinについて、詳しく解説していきます。

ドージコイン(Dogecoin/DOGE)の最新価格・相場・チャート・評価


ドージコイン(Dogecoin/DOGE)の特徴・詳細とは?|仮想通貨史上最強のネタコインについて

ドージコイン(Dogecoin/DOGE)とは?

Dogecoinを発案・設計したのは、元IBMのエンジニアであるアメリカ・オレゴン州出身のビリー・マーカス氏です。氏は、より幅広い層にリーチできる仮想通貨を目的として構想していました。そして、当時も論争の渦中にあったビットコインやアルトコインの喧騒からはできるだけ離れたところでそれを育てたいと考えていました。

シドニーのアドビシステムズで働いていたジャクソン・パルマー氏は、もろもろを経たうえでマーカスの構想に共鳴し、一緒に仮想通貨を作り上げていくことにしました。これが、Dogecoinの始まりです。コンセプトは、「ビットコインとは違った、面白いコイン」。Dogecoinは最初から明確に、”今ある仮想通貨とは違うもの”を焦点にその歩みを始めていたのです。

ただその方向は、取引承認技術の開発やトークン普及圏の再認識などでブロックチェーン技術を推し進める方向ではなく、少々ファニーな方向だったのです。

無制限に生産されて、マイニング作業が速い

Dogecoinの大きな特徴としては、ビットコインのように生産上限が設定されておらず、無制限に生産されるようになっている点です。このことは、ビットコイン的な価格安定維持システムを放棄して、仮想通貨界の相場の雰囲気で価値が決まるように設定をしたとも言えます。つまり、Dogecoinは神格化されがちなビットコインの思想(サトシ・ナカモトの論文)をわりと根源的なところで無視しています。もちろんそのことが悪いというわけではありません。なおここでは、Dogecoinの立ち位置を確認することのみにしておきます。

Dogecoinの特徴としてもう一つ、Dogecoinはブロック生成時間を短く設定しており、取引承認にかかる時間が1分のみです。ビットコインは10分、ライトコインは2分なので、かなりの高速度でのマイニングが可能だと言えます。このことでリスクを指摘されることもあるようです

スマートコントラクト実装を進めており、日本語対応はしていない

2018年9月にDogecoinはスマートコントラクトに対応するとのことで話題になりました。イーサリアムとの橋渡し的な用途のために実装したようです。ドージコインとイーサリアムの名前を足して「Dogethereum(ドージサリウム)」と呼ばれており、このコインが実用段階まで来ると、イーサリウムのスケーラビリティ問題も解決に近づくのではないかとして注目されています。

なお、Dogecoinは2018年現在、ユーザ向け公開情報の日本語対応はしていません。

Dogecoinのロゴマークと名前の意味

Dogecoinのロゴマークは、柴犬が目をむいているもので、かなりインパクトがあります。アメリカのナンセンスジョークという感じ。実はこの柴犬、abemaTVにも出ているのです。「かぼす」という名前の日本在住2018年現在11歳のわんちゃんです。

DogecoinのDogeという単語は、Dogのスラングです。日本のwebで猫のことを「ぬこ」、犬のことを「イッヌ」と呼ぶようなニュアンスです。アメリカでひとつの事象がバズってそのパロディ画像や動画がたくさん作られることを「ミーム」と言いますが、この「Doge」も2010年10月ごろからミームとしてたくさんの画像や動画が作られました。GoogleやYouTubeで検索するとものすごい数の変なコンテンツが出てきます。

かぼすちゃんの画像も、このDogeミーム騒ぎの量産コンテンツの中で、web上の匿名・不特定多数の人々に見つけられ消費されたもののひとつです。かぼすちゃんの公式ブログに詳しい記事があるので、下記をぜひ読んでみてください。

殺処分寸前だったところを保護され、柑橘類の名前を付けられた柴犬のチャーミングだが平凡な写真画像が、オンライン上でミームとして永遠性を得る物語。映画のようです。人が情報を紡いでいくことの核心的なところに触れている気がして、下手したらシュールに泣きます。

愛されることを知らず育ったかぼちゃんですから、家族の一員として、生涯愛情を注いでいきたいです。
かぼちゃんは一般的に言われている柴犬特有の性格とは大きく違い、のんびり屋で非常に大人しく、写真を撮られるのも大好きです。

ブログ本文から引用:かぼすちゃんとおさんぽ。「The Verge」

ドージコイン(Dogecoin/DOGE)の役割

Dogecoinの役割は、その道化的な位置づけにあると言えます。最初からビットコインとは違う道を、と始まったDogecoinは、他の仮想通貨のように現行貨幣の代替やブロックチェーン技術利用での既存体制の再構築をめざすような種類の仮想通貨ではありません。

ちょっと面白くて、仮想通貨としてのそれなりの機能もちゃんと持ってるよ、ということで寄付によく使われています。カジュアルなイメージがあるので、肩ひじを張った真面目なチャリティ事業というより、自分のちょっとした余裕を困った誰かの手助けに転化する媒介として役に立っていると言えるでしょう。

Dogecoinの役割は、誰かを笑顔にすることです。

ドージコイン(Dogecoin/DOGE)の評価まとめ

ドージコイン(Dogecoin/DOGE)が話題になったこと

Dogecoinが大きく話題になり買われた事件として大きなものを紹介しましょう。不可解というか非合理というか、変な話ばかりなのですが、寄付は成功しておそらく誰かが笑った、という話なのでとてもポジティブなものばかりです。この独特の雰囲気が、Dogecoinの魅力と言えるでしょう。

1、別荘!

2014年の初めごろ、ある影響力のある投資家が別荘を売りに出しました。この売り方がユニークでした。別荘はドージコインとの引き換えが条件だったのです。この件で、ドージコインの認知度は大きく上がりました。

2、ソチオリンピック!

ソチ冬季オリンピックが行われたのも2014年でした。この大会で、出場資格があるのにも関わらず、ロシアのソチまで移動する資金的余裕がないチームがいました。ジャマイカのボブスレーチームです。ジャマイカのボブスレーと言えば、東京の下町で制作したボブスレーを使用するか否かで悶着があったり、「クール・ランニング」という映画の題材となってヒットしたりと、変な話題性のあるチームですが、Dogecoinともかかわっているのです。

ジャマイカのボブスレーチームのため、Dogecoinのコミュニティは5万ドルの募金活動を始めました。2日で3万6,000ドルが集まりすぐに目標は達成したそうです。

ジャマイカは基本的に雪は降らないし自然に氷もない国です。そんな国から、冬のマイナースポーツでオリンピック出場、という謎の気概がDogecoinとマッチングしたのかもしれません。

3、井戸!

Dogecoin財団は、井戸を掘ることにしました。ケニアのタナ川流域で井戸が必要とされていたからです。彼らは、「世界水の日」である3月22日のぜんっ実に3万ドル相当のDogecoinを集めることを決定し、寄付を募りました。すると、すぐに4,000人以上の寄付者が集まり、目標は達成されました。キャンペーンは大成功でした。

ドージコイン(Dogecoin/DOGE)の今後

今後、Dogecoinはどのように普及していくでしょうか。投資的な観点でDogecoinを見た場合、結論から言うと、今後は大きく価格上昇するのは難しい、というのが有識者の意見と言えそうです。その理由は2つ挙げられます。

ドージコイン(Dogecoin/DOGE)のメリット・デメリット

まず1つは、技術的に新しいことをしていないという点です。Dogecoinは技術的にオールドタイプの仮想通貨だと言えます。前述のとおり寄付の面では注目がされていますが、今後新技術を持ち、Dogecoinほどアクの強くない仮想通貨が出てきた場合、すぐに地位を奪われてしまうことが推測されます。

もう1つは、Dogecoinを取引できる仮想通貨取引所がとても少ないという点です。取引所が少ないと流通量が見込めないので、これはデメリットとなってしまいます。

ただ、再三述べてきたように、Dogecoinは不思議な魅力を持つ仮想通貨です。仮想通貨全体が大きく値上がりするようなことがあれば、もしかしたら再度大きな注目をされて値上がりをすることもあるかもしれません。既に大きな規模を持つ通貨なので、簡単になくなることもないでしょう。また、上で述べた「Dogethereum」のように、他の仮想通貨との融合/ハードフォークで、新しいコインとして生まれ変わり、新しい時代でまた変なことをしだす可能性もあります。

ブロックチェーンで笑顔を紡いで記録していくDogecoinのシステムはしばらく続きそうです。このことをかぼすちゃんの表情を背景に想像してみると期待ができます。