ベネズエラ、仮想通貨マイニング合法化も国家管理の体勢に
9月21日にベネズエラの官報で発行され、SUNCRIPの監督官であるJoselit Ramirez氏によって仮想通貨マイニングを合法化する法令が施行された。しかし、政府管理のマイニングプールを設け、マイニング業者が利用することが義務付けた。
ビットコインマイニングは、ラテンアメリカで長い間規制の対象となってきたが、ベネズエラが仮想通貨マイニングを合法化したことによる影響は大きそうだ。新しい統治下では、ベネズエラのマイナーはSUNCRIPからのライセンスの下「National Digital Mining Pool」に参加することが義務づけられる。
プールに参加していない国内の仮想通貨マイナーに関しては、包括的な暗号資産システムに関する構成法令に定められた、制裁措置が取られることになる。また新しい規制では、初めてベネズエラでの仮想通貨マイニング機器の輸入、販売、生産、および使用のための法整備も行われている。
ベネズエラの仮想通貨マイニングに関しては、長年政府の管理下のもとで行われており、ライセンス事業者に電気料金を補助する一方で、管理下に属さないマイナーに対しては厳しい取締りを行なってきた。その証拠に、今年の初めには、ベネズエラのボリバルの国家警備隊は国内での運用のために適切に登録されていなかったとして、315台のAntminer S9ビットコインマイニングリグが押収されている。
その他にも、現地警察がマイナーにマイニング機器の返品と引き換えに賄賂を要求していたこともあり、2017年にCNBCはベネズエラをビットコインを採掘するのに世界で最も危険な場所の1つとしていた。実際に2020年5月にケンブリッジ大学のオルタナティブファイナンスセンターによって発表された研究によると、ベネズエラはビットコインネットワークのハッシュ能力の貢献で世界のトップ10にランクインしているとのことだ。
というのも、ベネズエラでは国内の過大インフレ、貿易制裁、政治的激動、ボロボロの輸出収入によって衰退した経済において、仮想通貨マイナーが注目を集めているという背景もある。今回、ベネズエラで国内マイナーのためのプールが作成されたことにより、SUNCRIPはマイナーへのブロック報酬の支払いを制御することを期待しているようだ。
記事参照:BeInCrypto