ロシア政府、ブロックチェーン開発を最優先事項に

ロシア政府、ブロックチェーン開発を最優先事項に

ロシアの第一副首相Andrey Belousov氏はロシア議会の上院演説で、政府が近い将来優先する技術の1つとしてブロックチェーンを挙げた。Belousov氏はブロックチェーン技術を発展させるために、政府と企業間での相互作用を促進させることが重要だと述べている。

上院演説ではそのほかにも、人工知能、量子コンピューティング、新材料、量子センシング、マイクロエレクトロニクス、モノのインターネット、5G、量子通信、エネルギーなどを優先技術として挙げている。Belousov氏は、同国の課題とその改善について次にように述べている。

私たちの課題は、民間資本と官民パートナーシップを引き付けるベンチャーファイナンスのシステムを実再構築することです。業界からの関連提案はすでに入っています。

Belousov氏はさらに、ロシアでこれらの技術を促進するためには、政府が新しいベンチャーエコシステムを構築することが不可欠であるとの考え方も明らかにしている。

ロシアでは最近、議会選挙においてWaves上のブロックチェーンを用いて構築されたオンラインプラットフォームを介しての投票が試みられており、およそ30,000人近くのロシア人が投票している。またロシアは、ブロックチェーン開発に意欲的であり、今年1月にはロシア政府が保有するテクノロジー企業であるRostecが、2024年までにブロックチェーン技術に284億ルーブル(500億円相当)投資する考えを示している。

これらの資金はサプライチェーンや住居部門などの産業へのブロックチェーンを導入やヘルスケアのための分散型台帳技術(DLT)を開発するために使われるとのこと。その一方で、ロシアでは長年仮想通貨取引が規制されていたが、今年7月にロシア初の仮想通貨法案である「デジタル金融資産関連法(DFA)」が承認されている。

これにより、サービスや商品の支払いに仮想通貨を使用することは禁止されているものの、ロシアでの仮想通貨取引が合法となっている。このようにロシアは2020年に入ってから仮想通貨及びブロックチェーン開発を急速に進めており、その実用化を積極的に試みているようだ。