取引所FCoin、負債が130億円に|詐欺ではなく、経営判断の問題であると主張

取引所FCoin、負債が130億円に|詐欺ではなく、経営判断の問題であると主張

取引マイニングで知名度を上げたFCoinは、17日に「FCoinの真実」というタイトルでブログを公表し最大130億円相当の仮想通貨が不足していることを明らかにし、取引と預かり資産の引き出しを一時停止しました。

同取引所の創設者であるZhang氏は、今回の件についてEXIT詐欺ではないと主張しており、「システムエラーと経営判断の問題」であると語っている。

Zhang氏によると、システムに虚弱性があり、ユーザーが受け取るはずの報酬よりも多くの報酬を長期間分配してしまい、FCoinはこの事実を早期に改善することが出来なかった。

FCoinは2018年5月に公開されてから、取引マイニングと独自トークン「FT」保有者に収益の80%還元することを武器に仮想通貨取引市場に参入し、またたくまに出来高をあげ、毎日6,000億円以上の取引を誇るようになった。Zhang氏によると、この時期短期間で150億円以上の資産を個人で築くことができたというから、その取引量と手数料収益は莫大なものだったことが分かるだろう。

しかし、FCoinのシステムは急激に成長する速度に耐えうる堅牢性を持っておらず、徐々にコミュニティーからも悲観的な声が高まる結果となった。

Zhang氏は長期間継続して低迷する状況を改善するために、会社と彼個人の資産を利用しFTトークンの買い戻しを、今回システムが停止するまで行なっていた。

2つのフェーズで損失を返していく

Zhang氏は、ユーザーの資産について、2つのフェーズで返していくことを語った。

1つ目は、メールによる出金対応で、2〜3ヶ月間かけて順次対応していく予定だ。

2つ目は、将来の利益からの返却で、Zhang氏が計画している新たなプロジェクトからの収益を、ユーザーの損失に補填するために使用するとのこと。こちらについては1〜3年かけて取り行っていくとのこと。

コールドウォレットの追跡から一部では計画性のある詐欺ではとの声も

Zhang氏は、「システムエラーと経営判断の問題」であり、EXIT詐欺ではないと語っているが、一部のユーザーの間では、FCoinのコールドウォレットの動きから計画性があったのではないかと噂が広まっている。

FCoinは、ユーザーからの出金を停止する前日まで、コールドウォレットの資産をBinanceやOKEx、Huobiなど複数の仮想通貨取引所に全て送金している。

FCoinは、ユーザーからの出金を停止している理由に関して、システムの復旧を待っているからと説明していたため、コールドウォレットに資金を動かしているのであれば、説明と矛盾が生じることになる。

巧妙に計画されたシナリオがある可能性も

Doveyのリサーチによると、FCoinは巧妙に計画されたシナリオを描いていた可能性がある。

同取引所は2月10日にチームが所有するFTトークンを全て焼却した。これを見たユーザーは、FTトークンの希少性が高くなることから価格の上昇を狙い、資金を入金しており、その翌日11日にFCoinはメンテナンスを発表、14~17日の間に全てのコールドウォレットの資産を全て出金している。