ブロックチェーンコンテンツ協会が設立、業界向けガイドライン策定へ
健全なブロックチェーンコンテンツ業界の発展を目的とした、ブロックチェーンコンテンツ協会が設立した。ブロックチェーン市場への新規参入を考えるスタートアップ企業向けに、ブロックチェーンを活用したオンラインゲーム上のアイテム売買のルールなどを明確にし、業界の活力向上を図る。8月に一般社団法人化した後、今秋以降の自主規制法人化を目指す。
経済系シンクタンクの調査によると、ブロックチェーン市場の市場規模は、2019年度に171億5000万円に上り、22年度には1235億円9000万円に到達すると見込まれるなど、巨大市場に変わりつつある。サブプライムチェーンや権利証明、金融のほか、ゲームやソーシャル・ネットワーキング・サービスまで領域が拡大しているが、市場進出において人的、経済リソースが豊富な大企業に利がある状況で、スタートアップ企業は法的解釈やブロックチェーンの調査・研究といった最先端情報の取得が難しい実情がある。
同協会はそうした情報の非対称性によって十分な知識を持たない企業の進出が進み、ユーザーが安心してブロックチェーンコンテンツを楽しめなくなると危惧し、設立を決意。ブロックチェーンコンテンツ事業者とユーザー、国内外の企業、関係省庁、地方自治体のハブとなり、ブロックチェーンコンテンツに関する関連法規、事業者が遵守すべきガイドラインの策定をすることで、安全な市場形成を視野にした業界の発展を図ることにした。
協会には、博報堂やgumi、Dapps(分散型アプリ)ゲームを手掛けるアクセルマークやdouble jump.tokyo、アートとブロックチェーンでコンテンツを手掛けるスタートバーンなど10社が会員企業として参画。gumi代表取締役会長の國光宏尚氏が協会会長に就任した。
國光会長はプレス発表と同時に出した協会宣言で、国内でゲーム、SNSにおけるブロックチェーンコンテンツが増え、コンテンツのユーザー数が世界的にも上位に入ってきていると言及。その上で、ユーザーが安心して利用できる環境確保や、消費者保護のためのルールを打ち出していくとしている。詳細は次のように述べている。
スタートアップ企業がブロックチェーンコンテンツ事業に取り組む上で、関連する法令解釈をはじめとする必要な情報を手に入れることは簡単ではありません。ブロックチェーンコンテンツ協会はこうした情報を広く共有することを通じて、わが国のブロックチェーンコンテンツ業界が世界をリードする存在にしたいと考える企業によって結成されました。