ドイツ銀行、「デジタル通貨は2030年までに現金から移り変わる」
独自のデジタル通貨に積極的な姿勢を見せるドイツ銀行は、ブロックチェーン上で稼働する独自デジタル通貨について、今後10年以内には現金決済に取って変わることを示唆した。「Image 2030:the 10 future」と題されたドイツ銀行の報告書では、「我々が知っている不換通貨はすぐに新しい選択肢に取って代わる可能性がある」と記載。前向きな姿勢を見ていることが伺える。
また、ドイツ銀行の基本的信用戦略および、テーマ別研究の責任者と研究チームは80ページに渡る報告書にて、10年後の世界がどうなるかについて、以下のようないくつかの予測を立てている。
- 中国の消費パターンの変化
- ドローンの増加
- 気象政策
- 量子優位性
「法定通貨の終わり?」と「仮想通貨:21世紀の現金」
そして、この報告書にて注目されるタイトルがある。それは「法定通貨の終わり?」と「仮想通貨:21世紀の現金」というものだ。この注目を引くタイトルの内容は、現在の不換通貨(法定通貨)ベースの通貨システムの存続について懐疑的であり、不換金が今後10年間で冗長になる可能性があることを示唆している。
この問題を解決する潜在的な選択肢の1つとしてドイツ銀行は、仮想通貨が近い将来のデジタル世界で大きな役割を果たす可能性があること報告書に記載した。
また、今後の最も重要な市場についても言及して、市場について中国とインドの2カ国を挙げている。両国は仮想通貨取引に厳しい見解を示している。しかし、インドではキャッシュレス社会への移行に大きく動き出し、中国は「ブロックチェーンベース」のデジタル通貨を検討している。さらには、消費者および企業は、不換通貨ベースの支払いよりもデジタルを好む傾向にあり、高い取引手数料が必要ないデジタル支払いよりも、さらに高いレベルのプライバシーを提供するため、仮想通貨をの採用に適していると解説している。
さらに現金社会からの脱出するための手段についても、明確に分析しており、3つの課題を解決する必要があるという。まず1つ目は、政府監視の正当性の獲得。2つ目は、より広範な決済業界との提携の構築。3つ目は、サイバー攻撃やデジタル決済市場に対する潜在的なリスクを阻止と堅牢なデジタル金融システムの必要性と主張した。
ドイツ銀行は、これらのハードルが10年で克服できれば、世界中の人々がいつでも自由に個人や企業へ通貨を送信することができる未来が訪れると考えている。