Bitfinex・Tether側は文書を提出する義務はなし=NY裁判所が申し立てを認可

Bitfinex・Tether側は文書を提出する義務はなし=NY裁判所が申し立てを認可

2019年9月24日、ニューヨーク州最高裁判所控訴部は、8月19日に下されたニューヨーク最高裁判所判事Joel Cohen(ジョエル・コーエン)氏の判決を継続するというiFinexの申し立てを認めた。つまり裁判所命令の停止を認める動議を勝ち取ったことになる。

これにより、現時点においてiFinexはニューヨーク司法当局(NYAG)に文書を提出する必要がなくなった。

法廷での展開

NYAGによるiFinexに対する最初の訴訟は2019年4月に起こされた。そして2019年8月19日、NY司法当局はiFinex・Bitfinex・テザーなどに対して、テザーの準備金8億5,000万ドル(約915億円)を不正使用した疑いがあるとして、調査に必要な書類をすべて作成するよう命令。iFinex側は、NY司法当局は管轄外であるとして戦う姿勢を見せた。

しかし、IPアドレスから調べればBitfinex利用者はニューヨーク州にもいることがわかり、これによりニューヨーク州司法長官事務所は管轄内になるとコーエン判事は判断(Bitfinexは香港に拠点がある)。

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NY裁判所の命令に関する詳細

コーエン判事によって「NYAGの差し止め命令を却下するiFinexの申し立て」が拒否された。しかしBitfinexとテザーもこの判決に黙っておらず、上訴。最高裁の判決に不服がある場合、ニューヨーク州では州の最上級裁判所である上訴裁判所に控訴できる。そして今回の判断によって、この判決に待ったがかかった事になった。

なお、今回の判断を下したニューヨーク州最高裁判所控訴部は、一審裁判所と最上級裁判所の中間にある上訴裁判所となる。また、今回公表された文書は、以下のように締めくくられている。

「2020年1月期について、上訴は、2019年11月4日もしくはそれ以前に不服申立が完了するという条件に基づいて許可される」

つまり問題が先送りになっただけで、ニューヨーク州司法長官事務所の広報担当はコインデスクに以下のように語っている。

「テザーとビットフィネックス間の資金の移動を禁じる禁止命令は未だ継続中で、何も変わっていません。コーエン判事の決定を支持し、捜査を続け、裁判で争う姿勢です」

裁判問題が起きる中、ビットコインの価格が暴落したため、テザーの時価総額ランキングは4位に浮上。一時的なものかもしれないが、ステーブルコインとしての存在が目立つことは確かだ。