SEC、1460万ドルの違法なトークン販売でICOと創業者を起訴

SEC、1460万ドルの違法なトークン販売でICOと創業者を起訴

2019年9月18日、米国証券取引委員会(SEC)は、ICOで1460万ドル(約16億円)の資金調達を行ったICOBoxと設立者Nikolay Evdokimov(ニコライ・エフドキモフ)氏を、違法な証券提供と未登録ブローカー行為を行ったとして起訴した。

困難なビジネス訴訟の扱いを得意とするSECロサンゼルス地域事務所の地域ディレクターMichele Wein Layne氏は、以下のように述べた。

「ICOBoxとエフドキモフ氏は連邦証券法の登録要件を無視し、投資の意思決定に不可欠な情報を提供することなく、投資家に投資を行わせた。(ICOSトークンは)実質的に価値がなくなった。」

起訴内容

起訴状によれば、ICOBoxは2017年に資金調達を行ったが、未登録販売であり、ICOトークン「ICOS」を2,000人以上の投資家に販売することでICO販売プラットフォームを開発した。訴えを起こされているエフドキモフ氏は、トークンを販売する際、その価値が増加すると謳い、ICOSトークン保有者はICOBoxで販売されているトークンを割引して交換できるとしていた。この点が訴状のポイントになっている。

起訴状を見ていくと、ICOSトークンは事実上価値がないとしている。さらに、未登録ブローカーであるにも関わらず、ICOBoxはICO販売プラットフォームにて、50以上のクライアントのICOトークンを販売し、6億5,000万ドル(約700億円)以上を集めていたことも判明。連邦証券法の登録要件に違反しているとしてICOBoxとエフドキモフ氏を非難。差し止め命令による投資家の救済、不法収益はく奪や被害の原状回復と審理前利息、民事罰を求めている。

ICOSについて

ICOSはイーサリアムベースのトークン。現在の価格だが、2017年11月の最高値から1/350ほどにまで下落して2.41ドルとなっている。時価総額は1,191,641ドル(約1億2,800万円)。過去24時間取引量はなし。発行枚数は505,922ICOSで、97.8%に相当する量がすでに発行済み。以前はHitBTCで購入できた。

現時点ではイーサリアム系のDEXで売買可能と思われるが、EtherDeltaで確認したところ、最後にトレードが成立したのは2月だった。ICO価格を大きく下回ることはよくあることだが、現状ではトークン保有者がICOSを売却するのはかなり難しいと言える。

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2019.08.22