ビットコインのボラティリティ、5月以来の最低水準まで低下
資産管理会社Blockforce Capitalの発表したデータによると、ここ最近のビットコインボラティリティが今年5月の水準まで下回ったことが判明した。BTC/USDのボラティリティチャートを見てみると、7月19日に7%まで上昇して以降低下が続いており、9月16日には2.62%まで下落した。
ボラ低下はビットコインの翳りなのか?
ボラティリティが低下すると市場には活気がなくなる。価格差がそのまま利益につながる短期トレーダーにとっては旨味が減るからだ。しかしながらBlockforce Capitalの記事内では、ビットコインの機能のひとつに「長期にわたるマクロ経済実験」があるとしている。デジタルゴールドと呼ばれながら、伝統的で安全資産とされる金よりもリスクが高く、それと引き換えに莫大な利益をもたらす。このような旨味の多いビットコインが、このままボラが低下して市場から消えていくのかと言えば、あながちそうとも言い切れない。
一般的に言われていることだが、規制はボラティリティを高めるため、ヘッジファンド(短期売買を行う法人投資家)にとって大きな稼ぎどころとなる。市場をコントロールすることはできないが、ビットコインETF承認が待ち望まれている場合、そこを狙わない大口投資家はいないだろう。噂で買って事実で売るの格言もある。現状には何か意味があると考える方が自然だ。
チャートから見えるBTCの価格変動
2017年初頭からのBTC価格チャートと、ボラティリティチャートを重ね合わせてチェックしてみる。2017年で最も低いボラは5月6日と8日の1.51%だが、その数日後、ビットコインは長いレンジ相場を抜けて上昇トレンドに突入。
結局5月から年末にかけ合計4回大きくボラが低下したが、いずれも直後に価格は上昇。4回目のボラ低下の後は2万ドルに向かって躊躇いなく上昇した。2018年で最も低いボラは11月14日の0.73%だが、その数日後に価格は底打ちし、翌年3月末まで底値でレンジを形成。2019年9月時点で最も低いボラは3月27日の1.21%だが、この数日後にビットコインはレンジを抜け上昇トレンドに突入したが、これは2017年と同じパターンだ。
ボラ低下は良くない傾向だが、価格の底打ちという意味合いもある。ビットコインは依然高値圏に居座り上昇ペナントを形成している。サポートラインを下抜け、価格がプルバックした後、再度価格が下落してようやく「ビットコインは下降トレンドに入った」と言える。それまでは煽るような情報に惑わされることなく冷静でいたい。