“限定版”ビットコインETFが、9月5日に開始=VanEck、SolidX

“限定版”ビットコインETFが、9月5日に開始=VanEck、SolidX

2019年9月3日、VanEckとSolidXが機関投資家のみを対象にした限定的なビットコインEFTの販売を9月5日から開始することが、ウォールストリートジャーナルの記事によって明らかになった。

今回の報道についてSECからの公式発表はまだないが、この異例ともいえる決定はSECの規則144Aに基づき「適格機関投資家」のみに販売を許可するものだ。

適格機関投資家とは?
適格機関投資家とは、いわゆるプロの投資家のことで、ヘッジファンド・ブローカー・銀行・保険会社などを指す。規則144Aとは、米国私募証券市場において、取引相手を適格機関投資家に限定した場合のみ、SECへの証券登録届出書が免除され、なおかつ私募証券の転売回数の制限がなくなる規則。

ETFであって、ETFではない

VanEckとSolidXが販売する商品は、保有期間が短く「ETFのようなもの」であってETFではない。コインデスクによれば、VanEckでETF商品の責任者を務めるロペス氏は「ブローカー間の取り引きが店頭で行われることから、我々は仮にBroker Traded Fund、BTFと呼んでいる」と語っている

BTFはSIPC(証券投資家保護公社)とFINRA(金融業界規制当局)のメンバーであるOTC Link LLCが運営する、SEC規制のOTC Link ATSプラットフォームで取り扱われる。これにより、ビットコインの秘密鍵が紛失し、永遠に取り戻せなくなっても、保険が掛けられているため投資家が被害を受けることはない。

SECは2018年、証券に該当するデジタル資産(仮想通貨)を取り扱うオンラインプラットフォーム(主に取引所を指す)は、国法証券取引所あるいは代替取引システム(ATS)として登録する義務があると決定した。なお、SECによるATS登録は1998年から行われている。

ビットコインの価格が上昇

2019年はチャート上で上昇ペナントを形成しているビットコインだが、8月に入るとレジスタンスラインに跳ね返される形で価格が下落傾向にあった。今回の発表を受け、価格は再度上昇し、レジスタンスラインに向かっている。

かねてより様々な証券取引所がSECにビットコインETFの申請を行っているが、仮想通貨の不正流出・出来高操作・投資家保護ができていないなど問題点が多く、未だ承認されていない。

そこでVanEckとSolidXは、今回の限定的な取り組みによって「ビットコインETFが問題なく機能する」ことの証明になれば、個人投資家も購入できる本来のETFが承認されるのではないかと考えている。

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2019.08.13