リップル社、270億円相当の仮想通貨XRPを移動|XRP価格に影響とは?
時価総額ランキング3位に位置する仮想通貨リップル(XRP)へ、大量のXRPが移動した可能性が出てきた。
ビットコインなどのクジラを追跡するアカウント「Whale Alert(@whale_alert)」の報告によると9月1日、エスクローウォレットにロックアップしている10億XRPもの仮想通貨リップルが、解除されたことが明らかになった。
🔓 🔓 🔓 🔓 🔓 🔓 🔓 🔓 🔓 🔓 1,000,000,000 #XRP (258,488,781 USD) unlocked from escrow at Ripple Escrow wallet
— Whale Alert (@whale_alert) September 1, 2019
エスクローウォレットから大量のXRPが移動
この9月3日に報告された計10億XRPの解除は、先月30日と今月3日の2回に分けて移動していることが明らかにされていた。先月30日の仮想通貨XRPの動きでは、エスクローウォレットから引き出されたであろう仮想通貨XRP「522,552,373XRP(132,446,488 ドル)」が、不明なアドレスへと送金されている。
🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 522,552,373 #XRP (132,446,488 USD) transferred from Ripple to unknown wallet
— Whale Alert (@whale_alert) August 30, 2019
さらに9月3日には、このロック解除された10億XRPの半分に相当する5億XRP(130,130,714ドル)が、リップル社のアドレスへと転送されていることが報告されている。
🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 🚨 500,000,000 #XRP (130,130,714 USD) transferred from Ripple Escrow wallet to Ripple
— Whale Alert (@whale_alert) September 3, 2019
しかし、この大規模な送金による価格の大幅な下落が予想されているなか、仮想通貨リップルの価格は現時点で「約2%」の上昇率を記録している。この状況については、仮想通貨の代名詞であるビットコイン(BTC)の上昇による、仮想通貨市場全体をリードしていると考えられている。
リップルのエスクローウォレットの仕組み
Ripple Labsは2017年後半、ホワイトペーパーを発行し、毎月10億XRPがリリースされることを発表した。そして、このプロセスは次の55か月間継続し、2021年半ばに終了するとされている。しかし、この決定はリップルを保有する投資家ならびにユーザーは周知に事実である。
Ripple社は現在、XRPトークンを最大発行枚数である1,000億XRPを発行しており、このうちの55%ものXRPトークン(550億XRP)をRipple社が保有していた状態だ。この発表では、Ripple社が月に放出できるXRPの枚数は「最大で10億XRP」と定められており、毎月10億XRPを放出できなかった場合は、残ったXRPトークンが再度、55ヶ月間のサイクルによって凍結(ロックアップ)されるようになっている。
今回の10億XRPの移動は、あらかじめ発表されていた内容の送金額と一致しているため、リップル側には現時点で、責任は全くない状況だ。しかし、一部の投資家は、このエスクローウォレットからの大量のXRPが、価格に大きな影響を与えていると懸念している。
仮想通貨リップル(XRP)への懸念
最近では、これらのリップルの活動について、一部のコミュニティメンバーから批難の声が挙がっている。コミュニティメンバーはリップル社に対して、保有する仮想通貨XRPの売却を中止することを求める「嘆願書」を作成し、現時点で2,239人ものユーザーが同意しているのだ。「Stop Ripple dumping(リップルダンプを停止)」と題された、リップル社に対する嘆願書は、リップル社が大量に保有する仮想通貨XRPの、大規模な売却を停止することを求めており、市場のユーザーはXRP価格が上昇しないことに不満を爆発させているようだ。
さらには今年5月、仮想通貨トレーダーのためのブロックチェーン分析を行うCoinMetrics社は、仮想通貨XRPを発行するRipple社が、以前に発表していたXRPトークンの放出スケジュールが、予定よりスピードアップしていると指摘するレポートを発表。月間で放出できる仮想通貨XRPを上回っていると報告したのだ。
苦しいリップル社の現状
実際に2017年末からの仮想通貨XRPの状況が苦しく、チャート形成も下がり続けている状況だ。現状の懸念を受けて、リップル社がどのような施策に動き出してくるか注目である。