リップル社のXRP放出スケジュールが「21年」スピードアップする可能性がある|CoinMetrics調査
仮想通貨トレーダーのためのブロックチェーン分析を行うCoinMetrics社は17日、時価総額3位に位置する仮想通貨リップル(XRP)を発行するRipple社が以前に発表していたXRPトークンの放出スケジュールがスピードアップしていると指摘するレポートを発表した。
同社が発表したレポートでは、Ripplr社が公表しているブロッックチェーン上で確認することができるデータを基に、以下の3つの矛盾点を発見したようだ。
- エスクローから解放されたXRPの数値が、合計2億XRP(現在の価格で8400万ドル)減少している状態で報告されている。
- エスクローキューは発表されたものとは当初の内容と異なり、発表されたスケジュールと比較してより早い将来のエスクロー資金の解放につながっている。
- Ripple社に関連している可能性のある他の団体が、Ripple社のエスクローのメインアカウントに接続されていない不明なエスクローアドレスから5500万XRPがリリースした。
エスクローとは、Ripple社が保有する550億XRPを第三者に預け、Ripple社がXRpを売却した際に、市場のボリュームおよび価格が暴落しないようにため第三者に資金の管理を任せる。このため投資家やユーザーは安心してXRPを購入、売買することが可能となる。
Ripple社は現在、XRPトークンを最大発行枚数である1,000億XRPを発行しており、このうちの55%ものXRPトークン(550億XRP)をRipplr社を保有していた。
また、Ripple社が月に放出できるXRPの枚数は「最大で10億XRP」と決められており、毎月10億XRPを放出できなかった場合は、残ったXRPトークンが再度、55ヶ月間のサイクルによって凍結(ロックアップ)されるようになっている。
しかし、CoinMetrics社ではこのようなルール設定がされているにも関わらず、Ripple社が報告した放出額と、ブロックチェーン上のデータに記録された放出額が異なっているというのだ。
CoinMetrics社の指摘では2018年1月6日、10億XRPを最初のエスクローからロックを解除し、それから月末に予想通り55ヶ月の間9億XRPをロックバック。 しかしその際に本来は56ヶ月目のエスクローに戻さなくてないけないのだが、そのうちの1億XRPが55ヶ月目のエスクローに分配され、8億XRPが55ヶ月目のエスクローに分配されている。
これでXRPの放スケジュールが大きく異なり、CoinMetrics社はこのままの計算でいくと「21年以上も配信スケジュールが短縮される。」と指摘しています。
CoinMetrics社は今回の調査内容をRipple社に伝えようとしたところ、詳細に関する回答は得られることはなく、同社の共同創設者であるNic Carter氏は海外仮想通貨メディアCCN.comのインタビューに対して、「私達が見つけたエラーはグランドスキームではかなり小さかったです。会計上の間違いだったのかもしれません。」と回答している。
しかし、記録を改竄できなブロックチェーンのデータが正式なデータとして残っているため、Ripple社の回答が得られた場合、XRPが仮想通貨市場の信用を妨げる可能性もある。