バイナンスは“KYCリーク”の被害者に、「生涯VIP補償」を提供
世界最大の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)は23日、「KYCリーク」と題された大規模なハッキング疑惑について、新たに言及、発表を行った。今回のKYCリークに関する発表では、ユーザーの個人情報に関するセキュリティについて、一部のユーザーを対象に「VIPメンバーシップ」を提供するというものだ。
この「VIPメンバーシップ」は、KYCリークに関わる影響を受けたユーザーが対象であり、優先取引手数料やサポート、その他のサービスなど、生涯サポートすることを約束するという。
KYCリークと、バイナンスの主張
一連のセキュリティ事件として取り上げられてる「KYCリーク」は今月7日、取引所バイナンスに関わるKYCデータが流出しているのではないかと、メディア、インフルエンサーが拡散。その後、メッセージチャットアプリのテレグラムにてKYCデータが拡散された。しかしバイナンス側は、このKYCデータが「ハッキングによって盗難されたデータではない」と主張。現時点も調査を続けている状況だ。
また、今回の発表においてもバイナンスは、以下の根拠をもとにKYCデータがハッキングされた可能性は低いことを主張している。
「この調査の最新の証拠は、リークされた画像の一部がサードパーティベンダーによって処理された画像と重複していることを示しています。
リークされた画像のレビュー中に、データベース内のKYC画像と一致しない複数のフォトショップまたはその他の変更された画像があり、包括的な調査の対象になっています。さらに、KYCの目的でBinanceを介して処理されたすべての画像には、隠された電子透かしが埋め込まれています。これは、漏洩した画像のすべてに特に含まれていませんでした。」
この発表では、バイナンスがKYCデータを処理する際に、全ての画像に「透かし加工」を施しており、その加工が、ハッカーによって公開された画像には、含まれていないと主張している。バイナンスは前回も同様に、KYCデータの情報についてバイナンスが画像データが自身のものではないことを主張していたが、確固たる証拠は提出されていない。
しかしバイナンスは、セキュリティについて「セキュリティは私たちの最優先事項であり、あらゆる状況でユーザーを保護することに尽力しています。」と発言。もし本当にKYCデータが流出していたとしても、ユーザーを最優先として保護することを約束している。