仮想通貨の不正出金 2017年で約6億6240万円相当
2017年の1年間に、仮想通貨の個人アカウントを狙った不正アクセス事件に関する全国の警察に届け出は149件あったことが22日、警察庁の調べにて分かりました。不正送金の被害総額は約6億6240万円相当で、仮想通貨の不正送金被害に関する年間統計が発表されたのは初めてです。
※今回の統計にはコインチェックのNEM流出(約580億円分)事件は含まれていません。
警視庁などが不正アクセス禁止法違反などで捜査を進めているが、ハッカーなどは、自分の持つアドレスや履歴を追跡されないよう複数のサーバーを経由するケースが多く、発信元の特定には至っていません。
不正送金されたのは、ビットコインやリップル、イーサリアムなどの流通量が多く、仮想通貨での人気の主要銘柄が多い。不正アクセス被害が確認されたのは国内外の仮想通貨交換業者16社と、ネット上で仮想通貨を管理するオンラインウォレット業者3社の計19社。手口は利用者のウォレットにアクセスし、別ウォレットに仮想通貨を移しかえる手段が一番多いという。手口は巧妙で、海外のサイバー犯罪グループが関与している可能性がある。
さらに、今回に調べで被害を受けた件数の8割以上にあたる122件が、取引所やウォレットのログイン時にIDとパスワードとは別のセキュリティ認証である「2段階認証」を利用しておらず、不正出金されてという。
ハッキングの被害に対して、自分のウォレットから不正出金された場合には、追跡までは出来るが、個人を特定し盗まれた資産を取り返すのは困難である。
さらに、仮想通貨のなかには、匿名性の仮想通貨というコインが存在しており、送信者、受信者の取引内容や送信履歴が特定できない使用になっています。さらに、世界中のネットワークに潜んでいる、ダークウェブサイトで利用されれば、資金洗浄(マネーロンダリング)され、追跡はさらに困難な状態になります。
ハッキングを未然に防ぐことが、1番の解決策です。
今では、ハードウォレットを使用して自分で秘密鍵を保管しておく方法や、DEX(分散型取引所)が対策として取り上げられ、注目されています。
身近な対策は、必ず2段階認証のアプリを使用し、ログイン時や、出金時のセキュリティを強化しておくことです。現在、仮想通貨市場の取引所、企業、販売所はセキュリティ対策に力を入れ、対応をしています。今後、画期的で安全な取引や保管ができるようになれば、仮想通貨市場の成長につながることでしょう。