ダークネット市場でのビットコイン使用量が2018年になって倍増
ブロックチェーンを元にした通貨であるビットコイン(BTC)は、インターネット上で簡単に送金ができる画期的な通貨の反面、悪用されることが珍しいことではない。
ロイター通信によると、ダークネット市場(DNM)でのビットコインの使用量は2018年に2倍に増加しており、1日平均200万ドルに達するという調査結果から出された。ビットコインは、その相対的な匿名性のためにダークネットで商品を購入するために長い間使用されてきた。
ダークネット上で取引されているビットコインの取引量は2018年1月からほぼ倍増しており、イギリスのブレグジットや米中貿易摩擦、フランスでのデモなどから各国の情勢が不安定なことも起因しているのではないかと言われているのだ。
しかし、年間を通じてダークネット市場へのビットコインの流入は、2017年の7億ドルから2018年は6億ドルに減少している。この減少の要因として、AlphabayやHansaなどの主要なダークネットサイトが閉鎖されたことが考えられている。しかし、また新しいダークネットサイトが立ち上がっているのも事実である。
ダークネット市場と仮想通貨の関係性
Chainalysisによるブログ投稿は次のように見解が述べており、いたちごっこのような状態になっているのが現状である。
「ダークネット市場の活動は、違法行為を阻止するための法執行機関による継続的な努力にもかかわらず、ここ数年で著しく回復力があります。あるダークネット市場が閉鎖されると、他の市場がその地位を築くためにポップアップします」
そもそもダークウェブとは、匿名化ツールでなければ接続できないサイトなどが集まったサイバー空間のことを指す。
「ダークウェブ」に存在するサイトは、私たちが普段使うグーグルやヤフーのような検索エンジンでは見つけることができませんが、「Torブラウザ」といった特定のブラウザをダウンロードすればだれでも簡単に閲覧することが可能だ。
このダークウェブでは、麻薬や拳銃、違法パスポートなどが売られており、だれでも簡単に手に入ってしまいます。アマゾンの地下ショップのような働きをしており、その支払いに仮想通貨を使用することが多いのが現状である。
仮想通貨が世界的に認知、発展すればするほど、このようなダークウェブ市場は拡大していくことが考えられ、これを止めることはほぼ不可能であると考えられている。非中央集権を掲げる仮想通貨市場でダークウェブのような違法行為を止める手立てはなく、次から次へとこのようなサイトは立ち上がっている。
仮想通貨の発展とダークウェブ市場の取締りはトレードオフであるとも言えるであろう。