4.4%のモネロ(XMR)が、マルウェアによるマイニングで発行されている
アルトコイン「モネロ(XMR)」の仮想通貨マイニングのうち、4.4%がマルウェアによるマイニングで発行されていることが明らかとなった。これは従来の推定を下回るものである。
マルウェアとは、不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称である。
スペインのマドリードにあるカルロス3世大学とキングス・カレッジ・ロンドンの研究者らが共同で取り組んだこの研究では、12年間にわたる膨大な数のマルウェアを分析した。
この研究結果によると、モネロは流通量の約4.36%、金額で言うと約5600万ドル(約60億円)が不法に供給されていると研究で証明された。これは、18年6月の研究で推定値として言及された約5%と比べ、やや低い数字となる。なぜモネロでマルウェアの研究がされているかというと、最大の特徴が匿名性の高さだからだ。
CryptoNoteという匿名性に特化したプロトコルを利用し、「リング署名」を実装しており、ビットコインなどは送金の際に秘密鍵と公開鍵を用いて行われるため、誰が署名したのか追跡可能になっていますが、リング署名はグループの公開鍵を束ねて利用しており追跡するのが困難である。
モネロのマイニングについて
モネロはひとつの取引を処理するまでの時間が2分程度。ビットコインの場合、ひとつの取引を処理するのに10分程度を要しますので、5倍の速さである。また、ブロックサイズ制限がないためビットコインで現在問題になっているスケーラビリティなども起こりにくい。
さらにモネロのマイニングは、ビットコインのようにハイスペックのPCは必要とされていない。モネロは一般的な家庭用パソコンのCPUでもマイニングが可能になっており、このようなシステムになっているため、隠れたマイニングに適した資産となっており、比較的安いコストで高いリターンを得ることが可能となっている。
研究者は「我々の利益分析は他の関連する研究よりも信憑性が高い。この調査結果はそれらの研究を補完するものである。悪意のある仮想通貨マイニングは、成長を続ける市場の複雑な脅威になり、効果的な対策と介入が必要であることを裏付けている。」と述べられており、今後のマイニング市場の成長にマルウェア対策は必要不可欠であるとの見解を示した。