HyperliquidとPayward、米国初の規制対象HIP-3永久先物市場の構築計画を発表

米国市場を開拓する規制準拠の運用体制

暗号資産取引所Kraken(クラーケン)の親会社であるPayward(ペイワード)社が、分散型デリバティブ・プラットフォームHyperliquid(ハイパーリキッド)上で、CFTC(米国商品先物取引委員会)の規制に対応した無期限先物(パーペチュアル)市場を開設する計画を明らかにした。

日本語訳:
Payward、Krakenの親会社は、HIP-3*市場における最初のCFTC規制下デプロイヤーとなる意向を発表しました。Paywardは、Hyperliquidをインフラストラクチャー層として使用…

この計画は、Hyperliquidが提供する新枠組み「HIP-3*」と、Payward傘下の規制対象事業体のインフラを組み合わせることで、これまで規制上の制約によりアクセスが難しかった米国居住の投資家に対し、オンチェーンでの規制準拠型デリバティブ取引への道を開く画期的な試みだ。

これまで暗号資産の無期限先物取引は海外プラットフォームが中心であり、米国のトレーダーへの提供には厳しい法的制限が存在していた。今回の構想では、ブロックチェーン自体を規制対象とするのではなく、CFTCの認可を受けた事業者がHyperliquidの高速オンチェーン・インフラを活用して市場を運用するアプローチが採用されている。

実務面では、Paywardが2024年に買収した指定契約市場・清算機関のBitnomial(ビットノミアル)が市場の構築・管理および契約の清算・決済を担当。さらに、CFTC登録のFCM(先物取引業者)であるNinjaTrader Clearing(ニンジャトレーダー・クリアリング)が顧客口座の管理と資金保護を担う体制を整えている。

これにより、従来の米先物市場と同等の透明性と顧客保護の枠組みがオンチェーン上に持ち込まれる。

アクセスを制御するHIP-3*と許可リストの仕組み

技術的な中核となるHIP-3*は、既存の分散型かつ誰でも自由に参加できる(パーミッションレスな)HIP-3インフラを拡張した新たなオプション機能だ。

最大の特長は、デプロイヤー(展開者)や指定運営者が管理する許可リスト(アローリスト)をオンチェーン上で設定できる点にある。投資家はNinjaTrader等の正規ブローカーで本人確認を含むオンボーディングを完了し、取引所およびブローカー双方の許可リストに登録されることで初めてアクセス権を得られる。

なお、Hyperliquid側は「HIP-3*は既存の市場に変更を加えるものではなく、独立した運営者がそれぞれのコンプライアンス要件に沿って運用するための選択肢」と強調。パブリックブロックチェーンのオーダーブックで取引をマッチングしつつ、アクセス層のみをコントロールすることで、規制遵守とオンチェーン取引の利便性を両立させている。

今後の見通しと残されたハードル

このプロジェクトは現在テストネット環境で稼働・検証が行われており、実際のメインネットでの開始には「CFTCによる規制承認」と「Hyperliquidネットワークのアップグレード実装」という2つの要件を満たす必要がある。

現時点では、取り扱う初期銘柄や提供される注文タイプ、正確なローンチ時期などのビジネス上の詳細は明かされていない。しかし、この取り組みが結実すれば、米国のデリバティブ市場における建玉(オープン・インテレスト)の一部が初めて規制されたオンチェーン・環境へと移行することになり、暗号資産デリバティブ業界全体の新たな節目となることが期待される。

 

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