韓国金融当局が未登録仮想通貨取引所27サイトをブロック
FIU(金融情報分析院)の要請を受けたKCSC(放送通信審議委員会)は、審議を経て大手海外取引所を含む27の未登録プラットフォームに対するウェブサイトアクセス制限およびサービス停止措置を発表した。
これまで実施されてきたアプリストアでの配信規制に加え、Webブラウザー経由のアクセス制限にも踏み込んだことで、無許可事業者への規制網が一段と強化されている。今回の規制措置の対象となったのは、韓国で公式な事業登録を行わずに現地ユーザー向けサービスを展開していた海外取引所など27のウェブサイトだ。
主な遮断対象プラットフォーム
KuCoin、MEXC、BingX、BitMart、Phemex、XT.com、Bitrue、CoinW、Poloniex、BTCC、DigiFinex、Pionex、Blofin、WEEX、KCEX など計27社
韓国の法律(特定金融取引情報法)では、韓国人ユーザーを対象に取引サービスを提供するプラットフォームに対し、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証の取得およびFIUへの事前登録を義務付けている。
「韓国語サイトの提供」「韓国市場向けマーケティング」「ウォン決済対応」といった実態が認められる場合、海外を拠点とする事業者であっても法規制が適用される。
未登録で営業を継続した場合には、最大5年の懲役または最高5,000万ウォン(約590万円)の罰金という厳しい刑罰が科される仕組みだ。
予防的措置への転換と高額手数料への懸念
今回の決定における大きな転換点は、「実際の被害発生を待たずに即座に対応する」という迅速な規制方針へ移行した点だ。
従来のような被害報告や詳細調査を待つのではなく、未登録での営業が確認された段階でアクセス遮断手続きに踏み切れる体制を整えた。その背景には、未登録プラットフォームが抱えるセキュリティリスクや消費者被害の拡大リスクがある。マネーロンダリング(資金洗浄)対策の欠如やハッキング、投資詐欺の懸念に加え、取引コストの面でも重大な懸念が指摘されていた。
デジタル資産取引所連合(DAXA)等の調査によると、摘発された未登録プラットフォームの取引手数料は1.5%〜10%に上り、韓国国内で認可されている主要取引所5社の平均手数料(約0.16%)と比較して最大で約62倍という高額な水準に達していたことが判明している。
水際対策の歴史とミラーサイトへの追跡体制
韓国当局による無許可海外取引所への規制は段階的に強化されてきた。
初期の摘発と通報(2022年〜)
KuCoinやMEXCをはじめとする多数の海外事業者を違法性があるとして捜査機関へ通報。これまでに計44社が捜査対象に指定されている。
アプリ規制とカード決済遮断
未登録取引所でのクレジットカードによる暗号資産購入を制限したほか、Apple App StoreやGoogle Playでのアプリ配信制限および削除措置を実施。
ウェブアクセスの遮断(今回の措置)
モバイルアプリに続き、ブラウザー経由のWebサイト接続を包括的に遮断する段階へと移行しました。
当局は、アクセス遮断を回避するためにドメインを変更して新設されるミラーサイト(代替ウェブサイト)についても監視を継続する方針だ。新たな迂回(うかい)サイトが確認され次第、即座に追加のブロック申請を行うとしている。
既存ユーザーへの出金案内と国内市場への影響
突然のウェブサイト遮断により、利用中のユーザーが資金を引き出せなくなる懸念が生じている。
この問題に対し、FIUは業界団体であるDAXAや関連事業者と連携し、対象プラットフォームから安全に資産を回収・出金するためのガイダンスや案内を周知するとしている。当局は投資家に対し、保有資産をすみやかに引き出すとともに、未登録のプラットフォームや高利回りを謳う不正な勧誘に注意するよう呼びかけている。
なお、韓国国内で正式に登録を完了している仮想資産事業者は約28社存在しますが、現物取引を中心とするUpbit(アップビット)やBithumb(ビッサム)といった大手国内取引所に取引が集中している。
海外取引所へのアクセスハードルが高まることで、過度なレバレッジ取引を行わない一般的な投資家層が、より手軽で安全な国内認可取引所へと回帰する動きがさらに進むと見られている。
























