Character.AIが破産申請、ディズニーが2000万ドル買収提案も元経営陣はグーグルへ

Character.AIが破産申請で元経営陣はグーグルへ

かつて企業価値10億ドル(約1,582億円)と評価され、AI(人工知能)チャットボット業界を牽引していたCharacter.AI(キャラクター・テクノロジーズ社)が、デラウェア州の連邦破産裁判所に連邦破産法第11条(チャプター11)を申請した。

同社は新モデルや低価格プラン「(c.ai) lite」を発表したわずか2週間後に破産へと追い込まれる形となり、プラットフォームの存続を賭けた競売手続きが進められている。

毎月最大900万ドルの巨額赤字と資金調達の難航

Character.AIは元Googleのエンジニアであるノアム・シャジール(Noam Shazeer)氏とダニエル・デ・フレイタス(Daniel De Freitas)氏によって2021年に設立され、ベンチャーキャピタルのa16z (Andreessen Horowitz:アンドリーセン・ホロウィッツ)などから出資を受けて急速に成長した。

しかし、技術開発やインフラ維持に伴うコストは膨大で、同社は毎月約800万~900万ドル(約12.66億~14.2億円)に上る営業損失を計上していた。

法的・規制上の逆風が強まる中で新規の投資資金獲得も難航し、資金繰りが急速に悪化。破産申請書における資産および負債の見積もりはそれぞれ5,000万ドル(約79億円)から1億ドル(約158億円)と記載されており、自力での継続的な事業運用が困難な状態へ陥った。

大手IT・エンタメ企業による人材獲得型買収の裏側

同社の破綻を早めた要因の一つに、主要な人材や技術が大手企業へ流入した経緯が挙げられる。

Googleによる人材獲得
2024年8月、Googleは創業者2名を含む研究チームを再雇用し、同社の技術に対する非独断的ライセンスを取得する約27億ドル(約4,273.8億円)の契約を結んだ。この「人材獲得型買収(acqui-hire)」を受け、Character.AIは自社での独自大規模言語モデル(LLM)の開発を事実上断念することとなった。
ディズニーへの経営陣移籍
2025年9月、ディズニーはCharacter.AIのCEO(最高経営責任者)であったカランディープ・アナンド(Karandeep Anand)氏を同社初のCTO(最高技術責任者)として起用し、複数のエンジニアもこれに同行した。

未成年者保護の欠如と相次ぐ法的トラブル

同社は法的な不祥事や規制当局からの監視にも直面していた。

フロリダ州で14歳の少年がAIチャットボットに感情的に執着した末に自殺する痛ましい事故が発生。遺族から提訴されたことをきっかけに、同様の訴訟が相次いだ。2025年9月にはFTC(連邦取引委員会)による未成年者保護の調査が開始され、同社は18歳未満ユーザーの自由形式チャットを制限する措置をとった。

さらにディズニーからも、自社キャラクターの権利侵害を理由に使用停止命令を受けるなど、IP(知的財産)関連の法的リスクも高まっていた。

ディズニーの2,000万ドルライセンス提案とプラットフォームの行方

現在、裁判所の監督下で資産売却が進められており、ディズニー・ワールドワイド・サービスが2,000万ドル(約31.6億円)のストーキングホース(最低入札者)として名乗りを上げている。ディズニーの提示内容は、特定の知的財産権の永久ライセンス取得および元従業員による移行サービスの受領であり、アプリ自体の買収・運用継続は含まれていない。

11月下旬から12月上旬にかけてオークションが予定されているが、サービス継続を保証する買い手があらわれない場合、プラットフォームは清算・閉鎖される見通しだ。

愛用ユーザーの困惑とAIロストへのケア

同サービスは過去の会話を記憶するAIコンパニオンとして多くのユーザーの心の支えとなっており、突然の存続危機に対して不満や悲しみの声が相次いでいる。同社は現在もアプリの稼働と有料プランを維持しつつ、データ出力機能やメンタルヘルス支援ページへの案内を行っている。

しかし、支援策の筆頭に対処用AIガイドが表示されるなど、対立的な状況も浮き彫りになっており、AIコンパニオンの消失によるユーザーの精神的影響が大きな課題として残されている。

 

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