英FCA、仮想通貨詐欺の被害者に約85万ポンドの賠償金没収命令を確保

英国FCAが仮想通貨詐欺被害者への賠償金没収命令を確保

英国FCA(金融行動監視機構)は、およそ150万ポンド(約3億円)規模におよぶ大規模な暗号資産投資詐欺事件において、被害者への金銭的補償を実現するために総額85万ポンド(約1.76億円)を超える没収命令の獲得に成功した。

今回の法執行措置は、CCX Capital(CCXキャピタル)やAstaria Group(アスタリア・グループ)といった名目を掲げた組織を通じて、違法な暗号資産投資スキームを展開していたレイモンディップ・ベディ(Raymondip Bedi)氏およびパトリック・マヴァンガ(Patrick Mavanga)氏の2名を対象に行われた。

2026年9月28日(月曜日)、サザーク刑事法院(Southwark Crown Court)で行われた審理の結果、裁判所は被告らに対して厳格な没収命令を下した。内訳として、ベディ氏に603,404.28ポンド(約1.25億円)、マヴァンガ氏に247,997.99ポンド(約5,155万円)の支払いがそれぞれ義務付けられている。

これらの人物には現在、命令を遵守するための3カ月‘間の支払い猶予期間が設けられている。万が一、期限内に支払いが履行されない場合には追加の懲役刑が科されることになるが、それによって金銭的な返還義務自体が消滅するわけではない。

電話勧誘を用いた架空案件への誘導手口

今回の件における特異な点は、被害者へのアプローチ手法にあり、実行犯らは、コールドコール(事前の連絡なしに行う電話勧誘)を駆使して一般消費者を執拗にターゲットに定めていた。実際には存在しない、あるいは利益を生み出さない架空の暗号資産投資案件を持ち掛け、巧みな話術で投資を促していた。

FCAの公式な調査報告によると、これらの一連の不正行為が実行されていたのは2017年2月から2019年6月にかけての期間だった。この詐欺スキームによって被害を受けた投資家の数は少なくとも65人に達し、確認された総損失額は1,541,799ポンド(約3.2億円)もの多額に上ることが明らかになっている。

回収資金の行方と被害者救済の現実

法院によって下された総額85万1402ポンドの没収命令は、仮に全額がスムーズに回収された場合であっても、被害者全体が被った損失総額の約55%程度を補填できる規模にとどまる。

FCAはすでに被害を受けた人々を特定して直接連絡を取り始めており、没収手続きを通じて回収し得た資金を該当者に公平に分配・返還する方針を示しています。しかし、現時点において、この命令が下されたからといって投資家が直ちに自身の資金を手元に取り戻せるわけではない。最終的に一人ひとりの手元にいくらの金額が戻るのか、あるいはいつから分配手続きが開始されるのかといった具体的なスケジュールや詳細な配分方法については、現段階では明確に発表されていない。

規制当局側が確実に資金を回収し、複雑な補償手続きを最後まで完遂できるかどうかが今後の焦点となってくる。

暗号資産投資における教訓と自己防衛策

今回の事件は、無認可の事業者による暗号資産関連活動がいかに大きなリスクを孕んでいるかを改めて浮き彫りにしており、FCAをはじめとする各国・地域の規制当局は、英国市場において正規の登録や認可を得ていない企業が提供する投資案件について、繰り返し強い警告を発してきた。

世の中には、現実離れした高利回りを約束したり、実体の見えない偽の取引プラットフォームを提示したりして投資家を惑わす悪質な手口が後を絶たない。どれほど魅力的な投資機会を提示されたとしても、大事な資金を投じる前には、その企業が本当に正式な認可を受けている正当な組織であるかどうかを規制当局の公式登録簿などで必ず確認することが不可欠だ。

FCAによる今回の資金回収は被害者にとって一部の救済にはなるものの、失ったすべての財産が完全に戻ってくる保証はないという現実を胸に刻み、暗号資産をめぐる投資案件への向き合い方には十分すぎるほどの慎重さが求められている。

 

ABOUTこの記事をかいた人

NEXT MONEY運営です。 「話題性・独自性・健全性」をモットーに情報発信しています。 読者の皆様が本当に望んでいる情報を 日々リサーチし「痒いところに手が届く」 そんなメディアを目指しています。