MoonPayがGlideを買収:クロスチェーン預金の不具合を解消し、暗号資産インフラを強化

MoonPayがGlideを買収

暗号資産の決済サービスを展開するMoonPay(ムーンペイ)は、異なるネットワーク間での送金や入金を簡素化する技術を持つ新興企業Glide(グライド)を買収したことを発表した。

2026年に入りすでに6件目となる今回のM&A(Mergers:合併&Acquisitions:買収)を通じて、同社は従来の「法定通貨から暗号資産への両替決済」という枠組みを超え、総合的なデジタル資産インフラの提供者としての基盤を強固にしている。

ユーザーの誤送金・入金苦という業界の難題に挑むGlide

Glideは、米人気投資アプリRobinhood(ロビンフッド)のウォレット開発に携わっていた技術者のツシャール・ソニ(Tushar Soni)氏とキンユ・トン(Qinyu Tong)氏によって2023年に設立された。

当初は汎用的なウォレット開発支援を計画していたが、Web3領域のスタートアップと接する中で、多くのユーザーがウォレットへの入金作業に極めて高い障壁を感じている現実に直面した。資産が異なるチェーンや取引所に分散しているため、入金のたびにブリッジ=チェーン間移動やスワップ=交換などの複雑な手動操作が必要となり、ユーザーの離脱や、誤ったチェーンへの送金による資金紛失といったトラブルが多発していた。

これに対しGlideは、手動でのブリッジや交換を経ることなく、30のブロックチェーンと100以上のトークンに対応した「ワンストップで完結する入金プロセス」を構築。業界の大きな課題であった入金手続きの煩雑さを解消した。

MoonPay Depositsへの統合と今後のインフラ戦略

今回の買収により、Glideの高度な自動ルーティング技術はMoonPay Depositsへ統合される。このサービスは、Telegramのゲーム・ウォレットやMoonshot(ムーンショット)、Paysafe(ペイセーフ)などの著名アプリですでに導入が進んでいる。

MoonPayのCEO兼共同創業者であるイヴァン・ソト=ライト(Ivan Soto-Wright)氏は、将来のブロックチェーン技術の実用化には、ユーザーが裏側のネットワーク構造を意識せずに使えるシームレスな体験(抽象化)が不可欠であると指摘。Glideの技術が、暗号資産で最も根深い問題である「チェーンの誤選択による資産消失リスク」を技術的に解消するための決定打になると語っている。

買収ラッシュで狙うWeb3の覇権

MoonPayは買収額などの詳細を明かしていませんが、同社は2026年に入り、Sodot(ソドット)、Decent(ディーセント)、DFlow(ディー・フロー)、Entendre(アンタンドル)、Dawn Labs(ドーンラボ)といったセキュリティ、取引、会計などの各分野に特化した企業を矢継ぎ早に買収している。

有力VC(Venture Capital:ベンチャーキャピタル)からの支援を受け、さらに元CFTC(米商品先物取引委員会)委員長代行のキャロライン・ファム(Caroline Pham)氏を法務トップに迎えるなど体制を整える同社。多角的なインフラスタックの構築を急ピッチで進めるMoonPayが、今後のWeb3インフラの主導権を握るのか注目が集まっている。

記事参照:Cointelegraph

 

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