Yield Guild Games、従業員35人削減とゲームパブリッシャー閉鎖を発表—AI事業に注力へ

市場環境の悪化でYGG Playが7月末にサービス終了

Web3ゲーム大手のYGG (Yield Guild Games:イールド・ギルド・ゲームズ)は、ゲーム配信プラットフォームおよびパブリッシング部門である「YGG Play」を2026年7月31日をもって終了することを明確にした。

このサービスは2025年5月のローンチ以降、累計900万ドル(約14.6億円)以上の収益を上げていたが、暗号資産市場の冷え込みと厳しいゲームパブリッシング環境の煽りを受け、商業的な持続が困難になったと判断された。

共同創業者のギャビー・ディゾン(Gabby Dizon)氏は、2025年10月に収益のピークを迎えたものの、同月10日に発生した市場の急激な清算イベントにより、主要ターゲットであったカジュアルなオンチェーンゲーマーの流動性と信頼が失墜したと言及。「プロダクトの問題ではなく、市場環境による苦渋の決断」だったと述べた

これに伴い、自社タイトル「LOL Land」や「Waifu Sweeper」などのサービスも終了するが、「GIGACHADBAT」や「Ragnarok Breaker」といった一部のサードパーティ製ゲームは、元の開発元へと運営が引き継がれる予定とのことだ。

35名の人員削減と強固な財務基盤による組織再編

今回の事業閉鎖に伴い、同社は従業員35名の解雇に踏み切り、対象者には8週間分の給与支給と再就職支援が行われるという。

昨今の仮想通貨業界では、Block(ブロック)社の大規模削減をはじめ、BitGo(ビットゴー)やCoinbase(コインベース)など各社がAI(人工知能)シフトや市場低迷を理由に累計5,000人以上の人員削減を実施。YGGの動きもこの業界トレンドに沿ったものと言える。

一方で、YGGの財務状況は依然として健全です。同社はステーブルコインや米国債などを含む2,000万ドル(約32.5億円)以上の準備金を保有。組織のスリム化と戦略転換によって、今後約4年間にわたり安定して事業を継続できる見通しだ。

ゲーマーの行動データを武器にAIデータ経済へ参入

今後の新戦略として、YGGは強みであるゲームコミュニティを活かしたAIデータ経済への完全転換を掲げている。

これは、次世代のワールドモデル(空間や世界の仕組みを理解するAIモデル)を開発するAIラボ向けに、高品質なゲームプレイデータセットを提供する試みである。ディゾン氏は、複雑で瞬間的な判断を繰り返すゲーマーの行動データは、AIが「人間の非合理性や創発的な行動」を学習する上で極めて価値が高いと説明。

具体的には、人気を集めた「YGG Alerts」を「AI Alerts」へとリブランドし、ユーザーに対して認証済みのリモートAIトレーニング案件を紹介するプラットフォームへと刷新。これにより、従来のP2E(Play-to-Earn:遊んで稼ぐ)の精神を、AI関連の仕事を通じて還元する新たなエコシステムの構築を目指す方針だ。

 

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