中国人民銀行前総裁がステーブルコイン導入を否定
中国人民銀行の周小川(Zhou Xiaochuan)元総裁は、世界のステーブルコイン供給量が2,700億ドル(約39.7兆円)に倍増したことを受け、ステーブルコイン中国の金融安定を脅かすと警告し、導入を否定、金融リスクを指摘した。
前総裁(※2002年~2018年在任)は、ステーブルコインの導入をめぐり、金融リスクを警告。前総裁は、2028年まで供給量が1兆8,000億ドルに達すると予測されている事を受け、ステーブルコインが中国の金融システムを不安定化させる可能性があると警告した。現在ステーブルコインは世界から目を向けられており、供給量は7カ月で倍増。中国金融40フォーラムにて2025年8月27日(水曜日)、前総裁が次のように語っていた事があきらかになった。
ステーブルコインが資産投機に過度に利用されるリスクに警戒すべきだ。方向性の逸脱は、金融システムにおける不正行為や不安定化を引き起こす可能性がある。
前総裁がステーブルコインを否定した背景
前総裁は、人民元にペッグされたステーブルコインをめぐる議論が激化する中、慎重な姿勢を促し、米国に倣って中国がステーブルコインを導入すべきだと訴える政策アドバイザーの声に真っ向から反論している。
ステーブルコインのメリットは誇張されていると主張。中国や他のアジア諸国の決済システムでは、QRコードや近距離無線通信(NFC)を活用したモバイルベースのアプリケーションが既に銀行システムに接続されており、分散化なしに技術進歩が達成されていると指摘。
アリペイ、WeChat Pay、デジタル人民元といった中国の小売決済ネットワークは既に効率的かつ低コストであり、新規参入者が付加価値を付ける余地はほとんどないと述べた。クロスボーダー送金が「極めて高額」という主張は、既存のシステム機能に関する誤解だと指摘。さらに、米国、香港、シンガポールの規制枠組みでさえ、十分な保護策にはなっていないと指摘し、ステーブルコインが投機的なツールとなり、操作や詐欺に脆弱になる可能性があると強調した。
ステーブルコイン人気は2020年から増加
オンチェーンデータの分析を手掛けるToken Terminal(トークンターミナル)のチャートによると、ステーブルコインの利用は2020年から増加し始め、2025年には大幅に増加した。
市場は2022年、2023年には若干の停滞を見せていたものの、現在は新たな需要を受けて上昇傾向にある。ステーブルコインの供給量は、投資家が仮想通貨エコシステムに参加するための主要ポイントとなっていることから、健全性を示す最大のシグナルの一つと言える。また、この傾向に基づくと、ステーブルコイン市場は2028年までに供給量が1.8兆ドルに達する可能性があり、この予測が達成されれば、ステーブルコインは仮想通貨経済において、標準的な金融商品に匹敵する最大のカテゴリーの一つとなると予想されている。