カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)の特徴・詳細とは?

もともとは、オンラインカジノで利用できる通貨として開発開始されたCardano(カルダノ/ADA)。ギャンブル関連が出自ということと、ICO後になかなかリリースされなかったことなどで詐欺ではないかと話題になりました。

しかし、リリース後は着実に信頼を積み上げ、スマートコントラクトの拡張や独自のアルゴリズムなどの技術的バックグラウンドによりダークなイメージも払拭し、現在は時価総額ランキングも10位以内に入るほど注目されている通貨のひとつとなっています。

学術的裏付けを確保してから開発を進めていく手法でブロックチェーン技術の現代経済・社会へのコミットを進めている、Cardano(カルダノ/ADA)について、その特徴や目的、採用しているアルゴリズムから今後まで、詳しく解説していきます。

カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)の最新価格・相場・チャート・評価


カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)の特徴・詳細

「Cardano」は、プラットフォームの名称で、そこで流通されているトークンの名称が、「ADA(エイダ)」です。しばしば「エイダコイン」という呼称を目にしますが、「エイダ」が正式名称で、19世紀に実在した、人類史上初のコンピュータプログラマー女性貴族、エイダ・ラブレスの名前を由来としています。

通貨単位は「ADA」。2017年9月29日にリリースされ、最大発行枚数は450億ADA。イーサリアムの開発にも関わり、天才数学者とも言われるアメリカ・ハワイ出身のCharles Hoskinson(チャールズホスキンソン)氏が作り上げたトークンです。

カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)とは?

天才数学者、元イーサリアム開発者という肩書での説明が多いCharles Hoskinsonですが、その実像は行動者であり、アントレプレナー的な要素の強い、リーダーシップのある人物です。

ブロックチェーン技術に出会ったのは2010年ごろで、最初は発展すると思わなかったが、2013年のキプロスショックで、政府が担保しない通貨であるビットコインへの注目のされかたから考え方を改めました。そして、Udemyという、webで講義や口座を配信できる学習用プラットフォームで仮想通貨についての講義を始めました。延べ人数で8万人の受講者がいたそうです。

その後、EOSのDan Larimer(ダン・ラリマー)氏と共同でトークン開発をしましたが、仲たがいし、日本での休養中に公正なオンラインカジノで利用される仮想通貨、Cardanoを構想したとのことです。この、「公正なカジノ」というメタファーがCardanoの壮大な計画の大本となっています。ギャンブルを「取引」のよりラジカルな表象だととらえ、非中央集権的で公正なカジノの存在を思考実験として考えると、これはとても大きな意味を持ちます。

ブロックチェーン技術を利用して乗り越えられるかもしれない問題として、Charles Hoskinson氏は取引のギャンブル性・ゲーム性に早くから着目していたと言えるのではないでしょうか。そしてそのアイデアを実現させたものが、Cardanoなのです。

カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)の目的

先から述べている通り、元々オンラインカジノの電子マネーのような位置づけだったCardanoが目的としていたことは、胴元のいない、公正なカジノのオンラインプラットフォームとなることでした。

現在のオンラインカジノは、運営者が存在することでプログラミングへの集権や高額な手数料徴収が発生しています。

ゲームのプログラミングに手を入れることで、勝敗をコントロールすることが可能になったり、高額な手数料を確実にとっていくような仕組み構築などが行われていました。また、オンラインカジノで遊ぶために個人情報を登録しなくてはならないことも、集権的な意味合いを持つ構造と言えます。これらの状況を、ブロックチェーン技術で超克することで、公正で利便的なカジノ環境を構築しようと試みたのです。

そこから時間が経ち、現在のCardanoは、目的を拡充しています。現在のCardanoは、様々な種類の仮想通貨を発行するためのプラットフォームを構築することをめざして邁進中です。いわば仮想通貨の工場として、トークン開発を受注して開発していこうということです。

そしてそのプラットフォームの中の主力プロジェクトとしてADAが位置付けられています。現在は「ADA(エイダ)」を、ビットコイン、イーサリアムに続く第三の仮想通貨と呼ぶ人もいます。

ADAは億り人コイン!?なぜ人気なのか?

ADAは、多くの送り人を生み出したコインということでしばしば引き合いに出されます。先述のとおりADAは、Charles Hoskinsonが日本でアイデアをまとめて始めたプロジェクトということもあり、日本でのプロモーション活動を濃くしていました。

日本の投資家らのADAへの資金投入が多かったことがあり、日本人の仮想通貨での「億り人」が比較的多い通貨と言えそうです。その分おそらく、大きく損をした方も多いと思われます。

ADAは、プレセール時から300倍以上の爆上げを実現しました。しかし今はそこから10分の1以上に価格下落をしています。

投機的なバブル状態になってしまうと起こる、イナゴ的な現象ですが、高値掴みをした方はたまったものではなかったでしょう。このことからか、ホワイトペーパーのコピー疑惑や、投資詐欺事件なのではないかとのダークな噂が多数出回りました。

現在は、世界的な仮想通貨取引所への上場も果たし、詐欺として語られることは少なくなりましたが、インターネットでは過去の記事やニュースが半永久的に残るので、しばらくはそのようなイメージが残ってしまうものだと考えられます。

意外と知らない!カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)の特徴について

独自のスマートコントラクト「Plutus(プルータス)」

Cardanoの特徴として、独自のスマートコントラクトである「Plutus(プルータス)」について説明していきます。Plutusは、イーサリアムのスマートコントラクトよりもできることを広げ、各国の税金スキームをなど複雑なルールや慣習、コンプライアンスを取り込み、契約や管理をトークンに盛り込むことを可能としています。このことで複数の国をまたいでのデジタル通貨取引ができるようになります。

今後の技術拡張では、個人情報なども盛り込めるようにする予定とのことで、スマートコントラクトの可能性をより押し広げる挑戦をしていると言えるでしょう。

独自のアルゴリズム「Ouroboros(ウロボロス)」

Cardanoは、承認システムに「Ouroboros(ウロボロス)と呼ばれる仕組みを採用しています。これは、Aggelos Kiayiasらの論文「Ouroboros: A Provably Secure Proof-of-Stake Blockchain Protocol」を基にして開発されたもので、LiskやSteemなどのトークンで採用されている承認システムである「Proof of Stake(プルーフオブステーク/PoS)」アルゴリズムを進化させたものです。

PoSは、トークンの保有量や保有期間によってマイニング報酬を得る権利が与えられるという仕組みですが、Cardanoはよりランダムにトークン保有量や保有期間を選べるような郁美を介することで、現行のPoSシステムよりも信頼性の高いシステムを実現したとしています。

カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)の評価まとめ

Charles Hoskinson氏は、2018年に「Cardanoは世界初の1兆ドル超の仮想通貨になる」という主旨の発言をしたことがあります。

現在50億ドルもないほどの規模なので、かなり壮大な発言だと言えます。このような自信を持った発言が出るほどの可能性を、Cardanoは持っているでしょうか。これまでの実績と今後について見通しを立ててみましょう。

カルダノ/エイダ(Cardano/ADA)のこれまでの実績

Cardanoは、日本の東京工業大学、スコットランドのエジンバラ大学、 ギリシアのアテネ大学らと正式に提携をし共同研究をしています。どの大学も由緒正しい名門大学なので、信頼性の面でのブランディング寄与は大きいと言えるかもしれません。

また、ADAの決済システムとしての実装も進んでいます。スペインバルセロナのホテル「HOTEL GINEBRA BARCELONA」は、ADAでの決済導入を行いニュースとなりました。日本のJITホールディングス株式会社は、2018年3月より不動産決済にADAが使えるサービスを始めました。今後もこのように導入が進んでいくと考えられます。

Cardano(カルダノ/ADA)の今後

今後のCardanoについて考えるうえで、最もポイントとなることは、Cardanoがまだメインネットをローンチしていないということでしょう。メインネットローンチをすることで、仮想通貨は独立したブロックチェーンとなります。相場的にはこのことを好感して価値が上がることが多いようです。

Cardanoの、メインネットローンチ前でも時価総額10位以内に入っているという状況は、たくさんのユーザからの支持を得られている状態だと言えます。現在足場固めをしている最中とも判断できます。先に紹介したCharles Hoskinson氏のアグレッシブな姿勢から、技術的な裏付けさえあれば、Cardanoは相場価格がもう一度大きく伸びる可能性があると言えるかもしれません。

Cardanoは、5段階ある今後のロードマップ(Byron、Shelly、Goguen、Basho、Voltaire)の中で、非中央集権化したシステム構築のさらなる進化を発表しています。これらの技術がどのように普及していくのか、今後について要注目です。