韓国軍兵士が軍事機密を漏らす見返りに仮想通貨と交換
韓国現地メディアの調査により、韓国軍兵士らが軍事機密を仮想通貨と交換していたことが明らかになった。
TV朝鮮によると、韓国軍への捜査で、機密情報の漏えいが29件見発覚。機密情報と仮想通貨の交換に関わる軍の深刻なセキュリティ問題が浮上。注目事例の1つでは、特殊部隊の戦時任務に関連する機密文書を共有したとして告発された大尉のケースで、見返りに、4,800万ウォン(約530万円)相当の仮想通貨を受け取っていたことが明らかになっている。
この事件は、最初に明るみに出てから軍内で展開されているスキャンダルの中で最大のものの1つではあるものの、これら発覚したケースは氷山の一角とみられる。捜査官らは、少なくとも3人の兵士が仮想通貨の確保や借金の返済に軍のパスワードや文書を使用していたことを突き止めており、違法行為に関与した大尉1人は執行猶予付きの懲役刑を受け、軍から解雇されている。
兵士らが「レベル3」とランク付けされている軍アクセスコードを犯罪組織に関係する融資と交換するケースがさらに発生し、状況は悪化。これらの事件に関与した高利貸し3人を起訴し、違法な現金融資と引き換えに軍事機密を受け取ったと告発。関与した高利貸しらは、これらの秘密文書を担保として受け取った罪ですでに起訴されている。当局は、機密軍事データの無許可販売や共有など、同様の活動に関与した可能性のある兵士に関するさらなる事件の捜査を続けている。なお、検察側はその後、機密軍事データの違法取引に関与した兵士や民間人をさらに調査対象に加えたとのことだ。
また、国会国防委員会のカン・デシク(Kang Dae-sik)議員を含む国会議員らが介入。同議員は、韓国国防省のデータ「2021年以降軍事機密」を共有し、2021年以降に29件のセキュリティ侵害があったことを公表。2022年と2023年にそれぞれ8件の侵害が含まれており、2024年7月までに7件が報告されている。
初期の事例の1つでは、別の将校は、韓国統合指揮統制システム端末写真を撮り、テレグラム(Telegram)メッセージアプリで画像を共有。これらの画像の受信者は特定されていないが、データには、上級兵士が機密情報を民間防衛企業に販売し、別の兵士が極秘軍事マニュアルのコピーを販売したことも示されている。一部ケースでは、セキュリティの不備や個人用デバイスの不正使用に関連。兵士がカカオトーク経由でガールフレンドに機密軍事装備の動画を送っており、この兵士は後に、軍隊での日常生活を彼女に見せるつもりだったと主張している。
軍への信頼は回復できるのか
調査により、批評家は韓国軍の防衛力のセキュリティの欠如に焦点を当てており、ある事例では、兵士が無料のメッセージアプリを通じてガールフレンドと軍部隊のビデオを共有していた事もわかっている。
今後の調査が進むにつれて、より多くの事例が明らかになるとみられており、韓国は防衛システムへの信頼を再構築するよう圧力に直面している。軍当局は、さらなる侵害を防ぐためにセキュリティ対策を強化することを誓っている。