ステーブルコインがナイジェリアを仮想通貨導入で2位に押し上げる

ステーブルコインがナイジェリアを仮想通貨導入で2位に押し上げる

ナイジェリアは、インフレヘッジとビジネス決済により、仮想通貨導入で世界第2位にランクされていることが分かった。

ステーブルコインは、サハラ以南アフリカの仮想通貨取引総額の43%を占めており、南アフリカは、機関投資家の活動により、仮想通貨導入が急速に拡大。特に、ナイジェリアとエチオピアはともに現地通貨の切り下げを経験した事でステーブルコインの採用が促進された。2024年10月2日(水曜日)付けで発表されたChainalysis(チェイナリシス)のアフリカの仮想通貨シーンに関する最新レポート「Sub-Saharan Africa: Nigeria Takes #2 Spot in Global Adoption, South Africa Grows Crypto-TradFi Nexus(日本語訳:サハラ以南のアフリカ:ナイジェリアが世界導入で第2位の座を獲得、南アフリカが仮想通貨とTradFiのネクサスを成長)」によると、ステーブルコインはサハラ以南アフリカ地域の総取引量の約43%を占めている。

この上昇の背後にある主な要因は、ナイジェリア、エチオピア、南アフリカなどの国でのインフレヘッジ、国境を越えた決済、ビジネス取引の必要性によってサハラ以南アフリカ全体でステーブルコインの導入が増加。同レポートでは、この期間中にサハラ以南アフリカのオンチェーン価値が1,250億ドル(約18.25兆円)を記録し、前年比較で75億ドル(約1兆円)増加したことが強調されている。

ステーブルコインがインフレと通貨切り下げを緩和

ナイジェリアやエチオピアなど、現地通貨の変動が激しい国は、テザー(Tether/USDT)やUSDコイン(USDCoin/USDC)などのステーブルコインを信頼できる価値の保存手段として利用し始めている。

これはナイジェリアにとって重要ポイントとなっており、ナイジェリアの法定通貨であるナイラは大幅に切り下げられ、2024年2月に前例のない安値を記録。その結果、ステーブルコインは現在、この地域の仮想通貨取引総額の43%を占めている。報告書では、ナイラ切り下げと100万ドル未満の取引におけるステーブルコインの使用増加との間に直接的な相関関係があり、切り下げ時に流入が特に急増していることも指摘されている。

ナイジェリアの仮想通貨経済が成長

Chainalysisは、ナイジェリアが2023年7月から2024年6月の過去1年間に受け取った仮想通貨の価値は推定590億ドル(約8.6兆円)で、流入額の40%をステーブルコインが占めていると報告している。

多くのナイジェリア国民がステーブルコインを選択するのは、従来の方法よりも速くて手頃なためで、同調査によると、ステーブルコインで200ドル(約290,200円)を送金する場合の平均コストは、法定通貨チャネルを使用する場合よりも60%低いことが分かっている。ナイジェリアの仮想通貨活動は、小規模な小売およびプロ規模の取引が優勢である背景として、受け取った送金額の約85%は100万ドル(約1.4億円)未満であったことが調査で判明している。

送金に加えて、DeFi(分散型金融)がナイジェリアで急速に成長しており、DeFiプラットフォームは、ナイジェリア人が従来の金融システムの外でローンにアクセスし、利息を得るための新しい機会を提供。2023年、ナイジェリアでは300億ドル以上がDeFiプラットフォームを通じて送金されている。

南アフリカは機関投資家の関心をみせる

ナイジェリアで仮想通貨ブームが続く中、南アフリカの一部でも仮想通貨の採用が大幅に増加している。

2023年、南アフリカは260億ドル(約3.8兆円)以上の仮想通貨を受け取っており、この成長は主に機関投資家によって推進されており、多くの従来の金融機関がデジタル資産の保管ソリューションなどの暗号通貨サービスを模索。Chainalysisによると、仮想通貨の採用で26位にランクされているエチオピアでも同様の状況が起こっており、現在アフリカで最も急速に成長している小売規模のステーブルコイン送金市場であり、前年比180%の成長率を記録している。

エチオピアでもステーブルコイン採用が急増

7月にエチオピアの法定通貨であるエチオピア・ブル(ETB)は、政府がIMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)の支援を確保するために通貨制限を緩和したことを受けて、価値が30%下落した。

さらに、ステーブルコインはここ数カ月で南アフリカで最も人気のある仮想通貨としてビットコイン(Bitcoin/BTC)に取って代わったとChainalysisは指摘。アフリカにおける実際の仮想通貨使用事例は「世界市場に貴重な教訓をもたらす」と結論付け、さらにアフリカ大陸は「世界の暗号通貨リーダーとして台頭する好位置にいる」と述べている。

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