ドナルド・トランプ氏が4つのNFTコレクションを計画
ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領は現在、4つ目となるNFT(非代替性トークン)コレクションを発表する意向を明らかにし、デジタル資産シーンとの関わりが深まっていることに注目が集まっている。
トランプ氏はブルームバーグの取材に対し、ファンの要望により4つ目のNFTコレクションを発売することを示唆し、中国に先んじて仮想通貨分野でにおける米国の優位性を維持するために仮想通貨コミュニティーを歓迎したと語った。
トランプ氏のNFT分野への参入は、圧倒的に好意的に捉えられており、4万5,000枚のデジタルカードで構成される同氏の過去3つのコレクションは、いずれも発表から1日以内に完売しており、同氏はインタビューの中で、次のように語っている。
合計4万5,000枚のカードが売れ、すべてが順調だった。私も3回やったが、国民は私にもう1回やってほしいと思っている。私はもう1回やるつもりだ。信じられないほどのエネルギーだ。素晴らしい。
デジタル熱波を受け入れる
もともと仮想通貨に強く反対していたトランプ氏は、デジタル資産セクターを受け入れる方向に転じており、この変化は単なるレトリック(修辞法)にとどまらず、選挙戦略からもそれがはっきりとわかる。
ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたFEC(連邦選挙委員会)の文書によると、トランプ氏の選挙運動は5月に仮想通貨による支払いの収集を開始し、前四半期にはこの活動ですでに300万ドル(約4.7億円)近い寄付を集めており、同氏は「仮想通貨は消え去ることはない。素晴らしいことだ。」と答えている。また、6月6日にサンフランシスコで行われた資金調達イベントで、自身が「一流の人々」と表現する強力な仮想通貨ビジネスリーダー数名と会った事を明らかにしている。
この視点の変化は、発展途上の仮想通貨セクターで米国が中国に後れを取らないようにするという戦略的目標に動機付けられており、同氏は次のように語っている。
もしわれわれが失敗すれば、中国がそれを引き受け、中国がそれを手に入れるだろう。あるいは他の誰かがそれを手に入れるだろうが、おそらく中国だろう。中国は間違いなくそれに夢中だ。
トランプ氏の仮想通貨擁護と戦略的意味合い
トランプ氏の仮想通貨に対する態度の変化は、過去の軽蔑から大きく脱却しており、自身のリーダーシップの下、ビットコイン(Bitcoin/BTC)を「お金ではない」「詐欺」「今にも起こりそうな大惨事」と呼んでいた。
それでも同氏は現在、米国の国際競争力の維持はデジタル資産にかかっていると考え、選挙運動で仮想通貨寄付を受け入れ、ビットコイン支持であるオハイオ州共和党のJ.D. ヴァンス(J.D. Vance)上院議員を副大統領候補に選んだことは、仮想通貨市場を包含し、支援するというより包括的なアプローチを示している。
同氏が仮想通貨業界と意図的に提携したことは、彼の個人的な姿勢だけでなく、より一般的な米国の政策問題にも大きな変化をもたらしており、現在、ビットコインマイナーを支援し、米国のビットコインインフラを強化する新しいガイドラインを推進することで、世界のデジタル経済における米国の地位を強化したいと考えている。