アブラハム・アイゼンバーグ被告にマンゴー市場での1億1000万ドル搾取で有罪判決

アブラハム・アイゼンバーグ被告にマンゴー市場搾取で有罪判決

アブラハム・「アヴィ」・アイゼンバーグ(Avraham “Avi” Eisenberg)被告は、1億1,000万ドル(約170億円)以上が侵害されたマンゴー・マーケット(Mango Markets)の大規模なセキュリティ侵害に関連して有罪判決を受けた事が分かった。

2022年12月、同被告はDeFi(分散型金融)プロトコルのマンゴー・マーケットの悪用に関連した商品詐欺、市場操作、電信詐欺の容疑で、プエルトリコで逮捕された。この事件は2022年10月にアイゼンバーグ氏が500万ドル(約7.7億円)のUSDコイン(USDCoin/USDC)をマンゴー・マーケットに注入した際に発生。

裁判所の調査結果によると、同被告はプラットフォームのトークンであるMNGOの価格を操作し、1時間で約1,000%高騰させており、人為的な増加により、追加トークンを借りたり引き出したりができ、プラットフォームに重大なマイナスの負債ポジションを生み出した。エクスプロイトの数日後に同容疑者は、自分の行為はプラットフォームの機能を意図したとおりに利用した、合法で収益性の高い取引戦略の一部であると主張。その後、同容疑者はマンゴー・マーケットに6,700万ドル(約103億円)を返還し、コミュニティ・ガバナンス投票に従って4,700万ドル(約72.6億円)を保持した。

2024年4月9日(火曜日)に始まった裁判は1週間余りにおよび、大手メディアのブルームバーグの報道によると、法廷で弁護側は、同容疑者が合法的な取引戦略を採用したと主張したが、検察側は同容疑者の行為を不正行為と認定。裁判中、英国の顧客は資金を引き出せず、12万4,000ドル(1,900万円)を失ったと証言したうえで、次のように述べている。

それはDAOの仕組みではありません。相談できる人がいない

陪審員らが、同容疑者が市場操作犯罪やFBI(米国連邦捜査局)の監視用語をオンラインで検索していた証拠を目撃したことも同メディアは明らかにしている。同プラットフォームは、この悪用により最終的に1億1,600 万ドル(約179億円)の損失を被っている。

アヴィ・アイゼンバーグ容疑者の操作計画が暴露される

公判中、検察当局は同容疑者がシステムを欺き、違法資金を獲得するためにMNGOトークンの価格を操作したことを明らかにした。

トークンの価値を「人為的につり上げる」ことで、マンゴー・マーケットに対して意図的な詐欺を行おうとしたとされており、トーマス・バーネット(Thomas Burnett)米国検事補は、同容疑者が「金を奪って逃走する」意図を強調し、詐欺を綿密に計画し実行したと主張。裁判中、同容疑者の弁護人であるブライアン・クライン(Brian Klein)弁護士は、彼の顧客が取引所の規則の範囲内で合法的な取引戦略を実行同容疑者が分散型金融プラットフォームを管理するスマートコントラクトの範囲内で計算されたリスクを負ったと主張した。さらに同弁護士は、ソフトウェアの未監査の性質とそれに伴うリスクについてユーザーに警告するプラットフォームの免責条項を強調した。

弁護人の主張に対して米国検事補は反論し、同プラットフォームの規則は同容疑者を詐欺と操作の訴追から守るものではないと退けた。同容疑者は公判中に証言しなかったが、証言中にメモを取り、弁護士に証人に質問するよう頻繁に提案するなど、弁護に積極的な姿勢を見せている。

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