英国裁判所、クレイグ・ライト氏の資産760万ドルを凍結

英国裁判所がクレイグ・ライト氏の資産760万ドルを凍結

裁判が終了した今、英国裁判所はクレイグ・ライト(Craig Wright)氏の資産760万ドル(約11.5億円)のWFO(Worldwide Freezing Order:世界的凍結命令)を認めたことが明らかになった。

最近、オーストラリアのコンピューター科学者がビットコイン(Bitcoin/BTC)の生みの親であるサトシ・ナカモトであるかどうかを決定するクレイグ・ライト氏とCOPA(Crypto Open Patent Alliance)の裁判に世界中が注目していた。

ライト氏の主張は、彼がサトシ・ナカモトというペンネームの背後にいるのは自分だと主張し始めた2016年に始まり、何年もの間、この主張は証明されないままで、仮想通貨コミュニティによって大いに争われた。これによりライト氏は、ビットコインの作者であることを証明し、BTCホワイトペーパーの著作権を主張する試みについて、いくつかの法廷闘争に直面。

しかし、当NEXTMONEYの2024年3月15日の特集記事「クレイグ・ライトはサトシ・ナカモトではないと英国裁判所が公式に声明」で報じたように、ジェームズ・メラー(James Mellor)判事は、ライト氏はビットコインの生みの親ではないと結論。オーストラリアのコンピューター科学者とCOPAとの裁判では、ライト氏の主張を否定する圧倒的な証拠が提示されたと判断され、判決の中で次のように結論づけられた。

COPAはライト博士がサトシ・ナカモトではなく、ビットコインの生みの親でもないことを立証した。


最終判決前にライト氏の資産を凍結

これらの主張を公式に虚偽であるとする最終判決はまだ完成しておらず、公表されていないにもかかわらず、メラー判事はCOPAの要求通り、ライト氏の資産に600万ポンド(約760万円)のWFOを認めている。

WFOの文書によると、裁判の費用は合計で670万ポンド(約12.8億円845万ドル)強となる。例によって、裁判の判決が確定した後、費用を含む残りの救済を求める審問を開くつもりであったが、同判事は、WFO申請の判決を先に出すことが、ライト氏の裁判費用逃れを防ぐために必要であると考えたとのこと。WFO申請から審理までの期間が短かったため、ライト氏の弁護団は非常に短い見解しか述べることができなかったと指摘しており、COPAは今回の判断について次のように述べている。

このことを正しく予測し、あたかもこのWFO申請が通告なしに行われたかのように正しく私に対応し、完全かつ率直な情報開示を行う義務を正しく認めた。


裁判終了翌日にライト氏は自身の会社を譲渡

審理の間COPAは、裁判が終結した今、ライト氏の救済金支払いの意思に懸念を抱かせるに十分な証拠を提出しており、3月18日の同氏の動きの中には、警鐘を鳴らすものもあった。

一方で、裁判が終了した翌日ライト氏は、自身の会社RCJBRホールディングの株式がシンガポールの法律に基づいて組織された会社であるDeMorgan PTEに譲渡されたことをCompanies Houseに通知する書類を提出。この決定により、COPAはライト氏が資産をオフショア化し、裁判での敗訴の費用と結果を免れようとしている可能性があると指摘。さらに同判事は、ライト氏の金銭支払い命令に関する不履行の歴史と彼のうその実績を考慮し、非常に多額の費用を請求する強力な主張があると考えているとのことだ。

クレイグ・ライトはサトシ・ナカモトではないと英国裁判所が公式に声明

2024.03.15